2026/08/12
第33回日本病院総合診療医学会学術総会 参加報告
8月8-9日に七夕祭りが開催されていた仙台で行われた第33回日本病院総合診療医学会学術総会に参加しました。今回は、座長、企画、研究会議、一般演題の口演とポスター発表を一つずつなど、学会の最初から最後までさまざまな形で関わる機会をいただき、大変充実した学会となりました。
診断推論セッション「JUGLER」で初めての座長
学会初日の最初、第1会場で開催された「症例検討から学ぶ診断推論戦略 by JUGLER(Vol.16)」では、いつものディスカッサント特攻隊長(一番最初に発言する役)ではなく、今回は初めて座長を務めました。
志水太郎先生、和足孝之先生、髙橋宏瑞先生に加え、今回は天野雅之先生、石塚晃介先生にも新たにディスカッサントとして参加いただきました。
池田晃太朗先生、石橋花先生から提示いただいた高齢者の意識障害症例をもとに、複数の問題をどのように切り分け、診断推論を進めるかについて熱い議論が展開されました。朝一番にもかかわらず多くの方に参加いただき、まさに“発熱した”セッションとなりました。
プログラムディレクターミーティング
「専攻医が自分の価値を感じられるようにするためにはどうしたらいいか?」をテーマに、赤澤賢一郎先生、河邊拓先生とともにファシリテーターを務めました。
ご当地のお菓子をつまみながら、総合診療の魅力をどう伝えるかをグループごとに議論し、和気藹々としながらも非常に活発な会となりました。
このような、田妻理事長、志水専門医制度委員長が同席した状態で指導医が現場で専攻医をいかに教えるかについて相談して率直に語り合う場が毎回設けられていることも、本学会の大きな魅力だと感じます。一緒に企画を進めてくださった赤澤先生、河邊先生にも改めて感謝したいと思います。
日本東洋医学会とのジョイントシンポジウム
「総合診療医のスキルとしての漢方臨床のコツ・漢方医との連携の可能性」では、日本東洋医学会副会長でいらっしゃる高山真先生とともに座長を務めました。
十分な漢方教育を受ける機会が少なかった中堅世代の総合診療医と、若手医師の減少という課題を抱える東洋医学側が、お互いのニーズや教育・研修のあり方について率直に意見交換しました。
特に、総合診療医が漢方を考えることの多いMUS(Medically Unexplained Symptoms)の診療は、漢方専門医にとっても決して容易ではないというお話が印象的でした。
学会の病院総合診療専門医プログラムの作成に関わってきた身として、今回の議論を通じて、学会の病院総合診療専門医プログラムにおける東洋医学科研修についても検討する必要性があるかもしれないと感じました。
東邦からも症例発表
甲藤大智先生は、沖縄県立中部病院で経験した症例を「リンパ節腫脹を伴わないバルトネラ症の一例」として見事にポスター発表してくれました。研修先での貴重な経験を学術的な形にして発信してくれたことを嬉しく思います。
私自身も久しぶりに、「麻疹による伝染性単核球症様症候群の一例」を一般演題として口演し、「皮下腫瘤を主訴に受診した全身性原発性B細胞リンパ腫の一例」をポスター発表しました。
周囲からは「教授になっても自分で一般演題を発表するんですね」と少し驚かれたりもしつつ、自分としては久しぶりに一演者として症例をまとめ、発表できることが純粋に楽しく感じられました。
一般演題は、なんと学会最後のセッションの最終演題。最後まで残って発表するという意味でも、思い出深い発表となりました。
撮影してくれたのは、なんと獨協医科大学の志水太郎教授でした!ありがとうございました。
また、ポスター会場では他施設の先生方の発表からも多くを学びました。最近は管理・教育・研究などの業務に追われ、臨床医として症例から学ぶ姿勢が少し疎かになっていたのではないかと反省するとともに、改めて症例報告やポスター発表から得られる学びの大きさを実感しました。
学会主導研究も着実に進行
JAPAN研究では、鈴山裕貴先生から急性肝性ポルフィリン症に関する中間報告3が発表され、来年9月の最終報告に向けて研究が進んでいます。
さらに、JAPAN研究に続く学会主導多施設共同研究「EXPLORE-HAE研究」も、相原秀俊先生から初めての中間報告が行われました。
同じ時間帯には研究進捗会議・コア施設会議も開催され、約3時間にわたって濃密な議論を行いました。今回は私が進行を務めましたが、多くの先生方のおかげで大変意義深い会となりました。
潘先生が最優秀症例論文賞を受賞!
そして今回、大変嬉しいニュースがありました。
潘家琳先生が代表著者を務めた症例報告”IgA Vasculitis Presenting with IsolatedAbdominal Pain: A Case Diagnosed through Hypothesis-driven Physical Examination”が、『JOURNAL OF HOSPITAL GENERAL MEDICINE』最優秀症例論文賞を受賞しました。受賞後のコメントも、潘先生の誠実さと向学心が伝わる素晴らしいものでした。症例報告を丁寧に指導してくれた小松先生にも感謝したいと思います。
久しぶりのMeet the Experts
自分たちが創立メンバーとして立ち上げに関わった若手医師部会主催の「Meet the Experts(MTE)」にも数年ぶりに参加しました。
想像以上の参加者数と会場の活気に驚きました。特に女性の参加者が増えていたことも嬉しく、若手の先生方が憧れの先生と直接話せる、素晴らしい交流の場に成長していることを実感しました。
そして今回は、私自身も憧れていた先生と直接お話しする機会をいただくことができました。 若手のための企画として始まったMTEですが、年月を経ても、立場や世代を越えて人と人をつないでくれる場であることを改めて感じました。
今回、私の発表をほぼすべて撮影し、潘先生との記念写真まで撮ってくれた石井先生にも心から感謝です。
今回の学会を通じて、症例から学び、発表し、他の先生方と議論する楽しさを改めて実感しました。
こうして学会に参加できたのも、東邦で留守を守り、日々の診療を支えてくれた医局メンバーのおかげです。心から感謝しています。
次回の第34回学術総会は東京開催です。ぜひ次回は、東邦から多くのメンバーで参加し、一緒に学会を盛り上げたいと思います。
文責:佐々木 陽典
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2026/07/25
森岳雄助教の症例報告が日本内科学会英語雑誌Internal Medicineに掲載されました
森先生は、臨床・研究・教育のいずれにも熱心に取り組み、常に新たな知識や技能の習得を目指す向学心に富んだ医師です。今回の症例報告も、日々の診療で得た経験を学術的に深め、形にしようとする森先生の姿勢が結実したものと考えています。総合診療・感染症診療で培った知識と経験を生かし、救急医療を含む幅広い診療に取り組むとともに、今後も臨床・研究・教育の各分野でのさらなる活躍が期待されます。
本症例の診療に携わり、論文の執筆および完成までご指導・ご協力くださったすべての先生方、関係者の皆様に、心より感謝申し上げます。
文責:佐々木 陽典
(https://www.jstage.jst.go.jp/article/internalmedicine/advpub/0/advpub_7672-26/_pdf/-char/enから抜粋)
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2026/07/07
Eテレ『“健康迷子”のあなたへ 腹痛』の収録に参加しました
先日、NHK Eテレで放送予定の『“健康迷子”のあなたへ 腹痛』の収録に参加してきました。
番組では、夏に注意が必要な腹痛の原因の一つである細菌性腸炎・食中毒やアニサキス症についてお話ししました。
一方で、食器洗い用スポンジやタオルをどのくらいの頻度で交換すべきか、どのように消毒すればよいかといった、普段の診療や研究とは少し異なる内容についてコメントする場面もあり、慣れないテーマに苦労しながらの収録となりました。
今回の番組が、腹痛や食中毒の予防について考えるきっかけになれば幸いです。
また、私の子どもたちがゲストの錦鯉・長谷川雅紀さんのファンであるため、サインをお願いしたところ、快く応じてくださいました。子どもたちに宛てた、とても温かく素敵なサインを書いていただき、子どもたちも大喜びでした。
親切にご対応いただいたことに心より感謝申し上げます。
放送は、2026年7月19日(日)19時00分~19時44分、NHK Eテレの予定です。感染性腸炎やアニサキス症とその予防について解説していますので、よろしければぜひご覧ください。
番組名:『“健康迷子”のあなたへ 腹痛』
放送予定:2026年7月19日(日) 19時00分~19時44分
放送局:NHK Eテレ
文責:佐々木 陽典
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2026/07/07
広報誌「おかげさん」に脱水に関する記事を掲載していただきました
今回のテーマは、
「水と薬が飲めれば大丈夫!?―脱水のときに気をつけること」
です。
脱水は、単に体内の水分が不足した状態ではなく、塩分などの電解質も同時に失われていることが重要なポイントです。特に高齢者や基礎疾患のある方では、軽い脱水から急速に状態が悪化することがあります。
また、食事や水分を十分に摂取できない状態で、高血圧や糖尿病などの薬を普段どおり服用すると、血圧低下、腎機能障害、電解質異常、低血糖などを引き起こす場合があります。一方で、インスリンなど自己判断で中止してはいけない薬もあるため、体調不良時には早めに医療機関へ相談することが大切です。
本号では、内分泌・代謝、小児科、消化器内科、循環器内科、腎センターなど各診療科が、それぞれの専門的な立場から脱水について解説しています。暑い季節を安全に過ごすため、ぜひご一読ください。
広報誌「おかげさん」VOL.017(2026年夏号)はこちら
文責:佐々木 陽典
ChatGPTで作成
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2026/07/07
琉球大学金城先生に4年生へ腹痛診療の実践的なレクチャーをしていただきました
金城先生は、長年にわたり沖縄県立中部病院で総合内科診療と研修医教育に携わり、現在は琉球大学で卒前医学教育に尽力されています。病歴聴取、身体診察、臨床推論のエキスパートであり、私自身も沖縄で多くのことを教えていただいた大切な恩師です。
今年の講義のテーマは「腹痛」でした。患者さんからどのように話を聞き、得られた情報を整理し、身体診察によって診断に近づいていくのか、その一連のプロセスを実践的に教えていただきました。
講義では、金城先生ご自身が患者役を務めました。さらに、腹巻きに「あばら」と「へそ」を描き込んだ手作り腹部診察シミュレーター「金城先生のお腹」が登場しました。学生たちは金城先生に実際に病歴を聴取し、「金城先生のお腹」を診察しながら、腹痛の原因を考えていきました。
学生からの質問や診察所見に応じて少しずつ新しい情報が提示され、考えるべき診断が変化していきます。単に知識を聞くだけではなく、自ら質問し、診察し、考え、金城先生との対話を通じて診断に迫っていく、非常にインタラクティブで臨場感あふれる講義となりました。
私自身も、腹痛の診断や体性痛・内臓痛についてはこれまで学生に丁寧に教えてきたつもりでした。しかし、今回の講義で学生たちの反応を目の当たりにし、私が伝えたつもりになっていた内容が、驚くほど十分には伝わっておらず、実際に活用できる知識として習得されていなかったことを思い知らされました。教えることと、学生が理解し、実践できるようになることは別であると痛感し、教育方法を改めて見直さなければならないと深く反省しました。
検査に頼る前に患者さんの話を丁寧に聞き、自分の手で診察し、そこから得られた情報をもとに考えることは、臨床医学の基本です。一方で、その基本を本当に身につけることの難しさと奥深さを、学生たちも実感したのではないかと思います。
私自身も学生たちと一緒に金城先生の診療と思考のプロセスを追体験し、腹痛診療だけでなく、医学教育のあり方についても大変勉強になりました。毎年、遠方から本学の学生のためにお越しいただき、惜しみなく知識と経験を伝えてくださる金城先生に、心より感謝申し上げます。
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