
2018年日本内科学会認定総合内科専門医に4名が合格しました。
2018年日本内科学会認定総合内科専門医に4名が合格しました。
2018年9月9日に開催されました日本内科学会認定総合内科専門医試験に、医局長の宮崎泰斗先生、助教の貴島祥先生、竹本育聖先生、熊手絵璃先生が合格しました。それぞれ、感染症、がん診療、糖尿病、東洋医学などのサブスペシャリティをもつ指導医ですが、9月15日に開催された日本病院総合診療医学会総会の直前にもかかわらず、さらりとクリアしてくれました。あっぱれ!!
日本内科学会認定総合内科専門医試験は年々難化傾向であり、合格率が低下している試験で、指導医としてはプレッシャーのかかる試験でした。これで、東邦大学総合診療・救急医学講座の助教はすべて日本内科学会認定総合内科専門医となりました。
総合診療科の指導医の力量を再確認できました。みな、学会直前の試験、お疲れさまでした。次のステップに向かって、また頑張りましょう。
文責 瓜田純久
————————————————————————————————————————————————————–

前田正先生が日本感染症学会指導医に認定されました。
前田正先生が日本感染症学会指導医に認定されました。
日本感染症学会では、以下の基準を満たした場合、感染症指導医の申請を受け付けています。
(1)感染症専門医取得後5年を経た者。
(2)本学会の研修カリキュラムに基づく研修を指導できる者。
(3)指導医講習会へ参加した者。
東邦大学 総合診療科の前田正先生(2005年卒)が、総合診療科設立14年目で、初めての日本感染症学会指導医として認定されました。
前田先生は東邦大学を卒業し、迷った末に総合診療科に入局してくれました。研修医時代から感染症に興味をもち、総合診療科に入局後は、感染症・微生物学講座の舘田一博教授(日本感染症学会 理事長)のもとで指導を受けました。その後、関東労災病院でも勉強する機会をいただき、2013年に感染症専門医を取得しました。それから5年、待望の指導医として認定されました。現在は感染症を中心に、総合診療科の指導医として、病棟外来そして研修医教育に活躍しています。
前田先生、あっぱれです。これからは、先生の指導で多くの感染症専門医を育ててください。医局員がみな内科専門医、感染症専門医を取得できる医局を目指しています。多くのレジデント、研修医の先生が感染症診療の勉強に来てくれることを期待しています。
文責 瓜田純久
————————————————————————————————————————————————————-

第14回東京総合診療カンファレンスが東邦大学医学部で行われました。
11月29日に東京総合診療カンファレンスは順天堂大学総合診療科、聖マリアンナ医科大学総合診療科、日本医科大学総合診療科と当科が主催するす症例検討会で、年に2回開催されており、第14回目となる今回は当科が主幹で開催いたしました。回を重ねるごとに参加者も増え、今回は昭和大学、独協医科大学埼玉医療センター、海老名総合病院からもご参加いただきました。
1症例目は、順天堂大学の村井謙治先生に、「慢性骨髄炎で長期療養中に下腿潰瘍が出現した一例」のタイトルで症例提示をしていただきました。若年時より慢性骨髄炎を繰り返した後に出現した下腿潰瘍の症例であり、生検により有棘細胞癌と判明した一例でした。慢性炎症が癌の発生墓地となったと考察され、繰り返す皮膚病変を見たら常に「生検」を考慮しなければいけない、という、まさしくClinical pearl “Tissue is issue.”の重要性を痛感した症例でした。
2症例目は、当院1年目研修医の判治永律香先生が「Goblins had gone, ghosts came.」のタイトルで発表されました。86歳女性が意識障害で搬送され、TTPの診断で血漿交換を行いましたが改善せず、最終的にビタミンB12(コバラミン)欠乏による血栓性微小血管障害症の診断に至った一例でした。同疾患は一般的に先天性疾患に分類されるため、「86歳で先天性疾患を発症することはないだろう。」との早期閉鎖が診断の遅れにつながったとのことでしたが、当科が誇るザ・ジェネラリスト:佐々木先生のチームだから救命し得た症例と思います。また順天堂大学の内藤教授の巧みな進行で議論を盛り上げていただきました。
カンファレンス終了後の懇親会にも多くの方々にご参加いただき、こちらも大いに盛り上がりました。
当院研修医の判治先生。1年目とは思えない見事な発表でした。
多くの施設から、多くの方にご参加いただきました。
本学5年生も会に参加していただき、活躍してもらいました。
文責:石井孝政
————————————————————————————————————————————————————-

大田区プライマリケア症例研究会を開催しました。
11月30日(金)大田区プライマリケア症研究会—高齢者編—を開催しました。
初めに、在宅診療で東京都のオピニオンリーダーである高瀬先生が、在宅診療における便秘への対応、さらにポリファーマシー対策における消化管機能改善薬、防御因子製剤の取り扱いについて、大変興味深い講演をされました。ポリファーマシー症例では、まず胃腸薬をすべてやめることから始める、という目から鱗の提案がありました。次に、2月に横浜で開業した渡辺利泰先生が地域医療における便秘治療について講演してくれました。がん薬物療法専門医である渡辺先生ですが、高齢者から小児まで、便秘治療の現状を報告してくれました。
最後のパネルディスカッションには、消化管運動に造詣が深い財裕明先生が加わり、南雲先生の軽妙な司会で活発な議論が繰り広げられました。在宅診療での対応、摘便の重要性、メンタル疾患やパーキンソン病などの困難例への対応が議論されました。
議論は懇親会の場でも続き、同窓会館に用意された料理はあっという間になくなりました。
前日の東京総合診療カンファレンスに続いて、連夜の研究会となりました。前日のビタミンB12代謝異常の症例、骨髄炎から有棘細胞癌を発症した症例、そして本日は便秘困難例と、改めて総合診療の面白さと、東邦大学 総合診療科の多士済々の医局員たちをみて、総合診療科の重要性を痛感しました。
遅くまで議論いただき、ありがとうございました。
文責 瓜田純久
————————————————————————————————————————————————————–
医学教養選択講義「臨床医学に役立つ複雑系科学入門」開講のお知らせ
医学教養選択講義「臨床医学に役立つ複雑系科学入門」開講のお知らせ
2019年後期から、医学部1-3年生を対象とした医学教養選択講義を総合診療科が担当します。もっとも基礎医学から遠い立ち位置とされている総合診療ですが、臓器別ではなく、「分けずに考える」臨床推論は、もっとも基礎医学そして自然科学に近いものがあります。そのなかで、臨床に直結する「複雑系科学」を通して臨床医学に触れてみる講義を企画しました。
毎週水曜日1時限で、15コマを小松史哉先生、貴島祥先生、佐々木陽典先生、瓜田純久が担当します。ゲスト講師も予定しています。学生のみんな、一緒に楽しみましょう。
医学教養Ⅵ 臨床医学に役立つ複雑系科学入門
【背景】デカルトの時代から自然科学の手法はできるだけ細かく、必要な要素に分けて考える還元論が主流でした。特に物理学は要素還元論により発展しましたが、計算できない複雑な現象への対応が問題となりました。20世紀になると非線形相互作用を扱う複雑系科学が誕生します。物理学は還元論では説明しきれない現象が多い生物学との距離を縮め、大きく変化してきました。単純な規則のみでリーダーの存在しない集合体の組織化されたふるまいを生む複雑系システムの研究が試みられましたが、その手法は多くのデータを集め、統計学的解析を行う臨床医学と同様な方法でした。意外に自然科学と臨床医学は共通点があるのかもしれません。
【目的】大学入試において、理科系に分類される医学部ですが、入学後に数学や物理化学の補講が必要な学生が少なくありません。補講でサポートしても、モチベーションを上げることができる医学生は限られており、何らかの対策が必要です。まもなく解剖実習も始まり、医学生は学ぶことが膨大となり、思考回路を作動させるまえに、暗記に徹しなければならない状況に陥ることがしばしばです。臨床科目の履修が始まると、入試科目の数学、物理、化学、生物で学んだ知識と臨床医学とのギャップから、自然科学への興味は萎えてしまうことになりかねません。今回、臨床医学と自然科学との接点を再認識することにより、複雑系であるヒトの病態を解明するため、柔軟な思考回路の涵養を目的として、選択講義を企画します。臨床医学のツールとして、教養科目で学んだ物理、化学、生物の延長である複雑系科学が意外に役立つことを、学生のみなさんと振り返ってみたいと思います。
【達成目標】
20世紀以降の臨床医学もパーツに分ける還元論的手法が隆盛を極め、医用工学の発展もあり、還元論的臨床医学は臨床推論の主流です。鑑別診断を挙げ、画像を含む医療情報から消去していく手法は、疾患還元論を象徴しています。しかし、疾患はヒトが定義した集合であり、この定義が正しいことが臨床推論の大前提になっています。しかし、どの集合にも納まらない症候をもつ症例に遭遇したときは、迷宮入りとなり、治療開始を躊躇しがちです。ところが、集合を撤廃して推論を進めることは、不可能ではありません。頑固な症状が持続するとき、その責任病巣、伝達経路、活性化している経路、活性化させるメディエーター、そしてそれらに対する二次的な生体反応も考え、解決の糸口を探ります。非線形相互作用は細胞間や臓器間でもみられる、生体の基本的なふるまいです。その場合、頑固な症状の原因を完全に取り除く必要はなく、現状を少し変化させ、軌道を変えるだけで回復に至る場合も少なくありません。患者さんの症候について、病名を用いずに解釈できる思考回路の構築を達成目標とします。
【科目概要】以下の15コマを予定しています。
1. 複雑系科学の歴史:なぜ総合診療医が自然科学に拘るのか?
2. ネットワークを考える:動脈系と気管気管支系
3. マルサス人口論から感染症伝搬モデル
4. ロジスティクス写像で考える病態:疾患は係数で表現できるか
5. セルオートマトンで考える逆流性食道炎、ポリープ
6. ゲーム理論で考える腸内細菌叢
7. フラクタル次元で考える甲状腺、消化管
8. グラフ理論で考えるリンパ節
9. パーコレーション理論で考える痛み治療
10. なぜ癌はまだらに発育するのか?:拡散速度が作る形態
11. スモールワールドネットワーク理論:シンクロが作り出す病気
12. なぜ生体は安定か?電解質で考える
13. なぜ自然治癒するのか?数理モデルで考える
14. 免疫担当細胞の分布が作り出す疾患の特徴
15. 総合診療医からのメッセージ:病名のない症候学
文責 瓜田純久
—————————————————————————————————————————————————————————————