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当科を受診してくださった多くの患者さんにご協力いただいた呼気試験によるビタミンB12欠乏症の診断に関する研究論文が掲載されました!

臨床一本槍だった私が2014年に東邦大学総合診療科に戻ってきてから、教授に手取り足取りご指導いただき、初めて行った呼気研究の結果をまとめた論文が国際的な学術雑誌であるMedical Science Monitorに掲載されました。

この論文は13C-プロピオン酸という人体には無害な物質を服用してもらった後に吐いた息を集めて分析することで、高額で痛みを伴う血液検査を行わずに、ビタミンB12欠乏症を簡便に診断できないかというテーマで行ってきた研究です。

 痺れ、ふらつき、物忘れ等の症状で当科を受診され、臨床的にビタミンB12欠乏症が疑われた多くの患者さんに同意をいただき、1時間にわたって呼気採取にご協力いただきました。

 本研究の結果としては、血清ビタミンB12値との強い相関は認められかったもののビタミンB12欠乏により生じる赤血球の大球性変化との関連や、ビタミンB12補充による補充前と比較した呼気検査結果の明らかな改善が認められました。

これらの結果から、1時間の呼気検査によって、患者さんに採血等の大きなご負担をかけずに呼気を用いてビタミンB12欠乏症を診断できる可能性が示されました。今回は、体内のビタミンB12量を正確に反映しているとは限らず、診断性能が疑問視されている血清ビタミンB12値との比較研究だったので、今後は血清メチルマロン酸のような正確な指標との比較により「息を吐けばビタミンB12欠乏症が調べられる」検査が作り出せるように研究を続けてゆきたいと思います。

ご指導いただいた先生方、ご協力いただいた皆様、誠にありがとうございました!

https://medscimonit.com/abstract/full/idArt/940238

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文責:佐々木 陽典

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長期間の飲酒がプロピオン酸代謝にもたらす影響を呼気試験で分析した論文が掲載されました!

 瓜田教授、今井客員教授のご指導の下、私が初めて行った動物を用いた研究の結果をまとめた論文が国際的な学術雑誌であるWorld Journal of Gastroenterologyに掲載されました。

 アルコール依存症の患者さんはビタミンB12欠乏症である危険性が高いことが指摘されていますが、一方で適量の飲酒は健康に寄与するとも言われています。ビタミンB12欠乏症の診断法である13C-プロピオン酸呼気試験を長期間にわたって日本酒を摂取させたラットに行い、正常なラットとの結果を比べたところ、予想に反して、エタノールを長期間摂取したラットの方が小柄ながら肝機能は良好で、オスについてはプロピオン酸代謝が亢進していることが示されました。この原因としては、ラットはエタノール代謝能が高いので、エタノール摂取はラットにとって過剰とはならず、エタノールの摂取により腸内細菌叢の環境が変化し、腸内細菌が産生するプロピオン酸が増加した結果、プロピオン酸の代謝が亢進し、肝臓にも保護的に作用した可能性が考えられました。また、オスとメスでプロピオン代謝とエタノールのもたらす影響に差がみられたことも興味深い結果でした。このような内容についてまとめて論文として掲載していただきました。

 ご指導いただいた瓜田・今井両先生と、休日の朝早くから実験を手伝ってくれた河越先生、そしてラットの飼育から実験の手配、実験のお手伝いまで全てに献身的に携わってくださった秘書の佐藤さんに心から感謝申し上げます。

https://www.wjgnet.com/1007-9327/full/v29/i21/3269.htm

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文責:佐々木 陽典

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6/15(木)に医局説明会を開催いたします!

直前のご案内となってしまいましたが、6月15日(木) に当科の入局説明会をハイブリッド開催致します!

ご興味のある学生さん、若手医師の皆さんはぜひご参加ください!

参加申し込み(オンライン)・お問い合わせは下記または下記QRコードから:

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSddPgFnJOwFekquZFAMqMMkPy0GHcvfT4fozTXTPCmcjUnU4g/viewform

文責:佐々木 陽典

第26回日本病院総合診療医学会教育講演(オンデマンド)で八重樫先生の健診・予防医療に関する講演を拝聴しました。

2月18-19日に宇都宮で開催予定の第26回日本病院総合診療医学会学術総会では教育講演をオンデマンドで2/18-3/31まで教育講演をオンライン配信の予定です。先日、オンデマンド配信予定の教育講演を収録いたしました。

学生時代に亀田総合病院を見学した際のカンファレンスで拝見して雷で打たれたような衝撃を受けて以来、憧れの存在であり、雑誌Hospitalistの監修でも大変お世話になった千葉西総合病院の八重樫牧人先生に「生活習慣病対策・がん早期発見」のご講演の座長を拝命し、緊張しながらの収録となりましたが、八重樫先生の軽妙なお話しぶりと気さくなお人柄もあり、日頃から聞きたについても質問させていただき、大変楽しく実り多い時間を過ごすことができました。

八重樫先生はMr. 総合内科、Mr. Japanese Hospitalistとも言える存在であり、長年に渡って(そして現在も!)日本の総合診療を牽引し続けていらっしゃる先生です。

「意味のある健診と意味のない健診」や「予防接種とその重要性」など、多岐にわたる内容について、明快な科学的根拠と豊富なデータを示しながら、一方で、その要点をわかりやすく、そして本邦の現状に即してご解説くださりました(Think globally, act locallyを実践されている八重樫先生の姿勢を感じさせます)。

患者さん向けの予防医療に関するパンフレットもご紹介いただき、大変勉強になりました。

医療関係の方はぜひ一度ご視聴ください!

https://www2.aeplan.co.jp/hgm26/

文責:佐々木 陽典

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メディカルノートにインタビューを掲載していただきました!

Alnylam Japanの運営する患者さんのための医療系サイトであるMedical Noteに総合診療科医として、インタビューを掲載していただきました!

お時間のある時にご覧いただけると幸いです。

https://medicalnote.jp/features/department_of_general_medicine/interview09/

文責:佐々木 陽典

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