私が総合診療科に入ろうとしたのは、ある患者さんに接したことがきっかけです。その方は、心不全と肺炎、両方の疑いがありました。でも、心臓と肺、どちらの專門科でもレントゲンでは特定できず、ここでは診られないと、何度も行き来させたケースがあったんです。それではいけないんじゃないかと。医者なんだから、検査する前に、できる限り患者さんの話を聞き、診察すべきではないかと思ったんです。総合診療科なら、どんな患者さんが来ても、最初から断ることはありません。自分や家族だったら、そういう医者に診てほしい。だから、私は総合診療科に入りました。実際に、この科に来た患者さんにはとても感謝されます。瓜田先生が普段よく話している「患者さんから選ばれる医者になる」ことの大切さを、最近はすごく実感しますね。
総合診療医は、普段の外来でも重篤な患者さんを瞬時に見分け、それに見合ったスピードで対応することが求められます。このギアの切り替えが、医師としては刺激的です。それができるように、見落とせないポイントを実践しながら指導しています。経験主義に陥らないように、なるべく細心の知見や科学的根拠に基づいて教育するように心がけていますが、一方で、失敗も含めて自分自身の経験もよく話します。そのときは、担当している患者さんを例に、「自分の経験上、あの症状は…」と、実践につながるように心がけてます。総合診療科では、家族ぐるみで診ている患者さんもいます。そういう患者さんから「先生に診てもらってよかった」と言ってもらえると、こんなに嬉しいことはないです。この仕事は、日々患者さん一人ひとりから学ぶ努力が必要ですが、それが報われる以上のやりがいを与えてくれます。もし、この科のスタンスに共感いただけるなら、ぜひ一緒に頑張れたらと思います。