私は総合診療科で糖尿病専門医を取得し、糖尿病の患者さんをメインで担当しています。また、科内で糖尿病専門医の取得を目指す方をサポートしています。総合診療科で専門医として取り組むメリットは、合併症に対応できること。特に糖尿病の患者さんは、多岐にわたる合併症を持つリスクが高いんです。ただ、専門診療科の中で範疇を決めてしまうと、全身まで診ることが少なくなります。その点、総合診療科なら、自分たちのできる範囲で合併症の診断や、治療にあたれます。たとえば、外来で通っていただいている方を採血して、その数値で合併症が疑われれば、通院や入院でさらに詳しく検査し、診断をつけることができます。よくなったら、また外来でその後のフォローも可能です。

現在、総合診療科には、糖尿病専門医である私のほか、腎臓病や感染症の専門医の先生も在籍しています。その指導のもと、それぞれの専門医を目指すことができます。一方で、まだ自分の専門性を悩んでいる方もいるでしょう。この科は、さまざまな患者さんや症例に触れることができるので、そのなかで興味のある分野を見つけ、どの専門医を取得するか見極めるのも、一つの考え方だと思います。また、どのようなキャリアを積むかは、本人次第。提携している病院に出向して専門医を取り、総合診療科に戻ってきて活躍する先生もたくさんいますし、專門診療科で先に専門医を取得してから、ここに入る先生もいます。さまざまな可能性が開かれていて、自由度が高いことも総合診療科の魅力だと思います。