NEWS
2019年
12月18日(水)第1時限、1-3年生の選択講義である医学教養Ⅵでとても楽しい講義を行いました。

二人の息の合った講義は、森先生のオープニングで始まりました。いつも寝ていた学生はしっかり起きてました。


つぎに、当直明けの繁田先生が大森病院研修医の一日を紹介してくれました。

そして森先生が入局先として総合診療科を選んだ理由を教えてくれました。感染症診療と総合診療ができる医師を目指す決意も熱く語ってくれました。


繁田先生も総合診療科を選んだ理由として、今後は「総合診療ブームが来る!」と熱く話してくれました。

そして、森先生が「風邪の診かた」というテーマで講義が始まりました。誰もがかかる風邪は、系統講義ではまとまった講義がありません。もっとも遭遇する疾患でありながら、もっとも軽視されている風邪について、わかりやすく説明してくれました。

とくに、「バランスで診る風邪診療」は特筆すべき思考回路です。餌があれば発育できる細菌と異なり、細胞内に入り込んでしまうウイルス感染。反応する免疫システムも異なることから、発症形式が異なることを「バランス」で表した絶妙な講義でした。

コーヒーブレイクでは研修医アンケートの結果を披露してくれました。「学生時代もっとやっておけばよかったこと」の回答は、「もっと遊んでおけば・・・」「もっと勉強しておけば・・・」「何か資格を取れば・・・」など様々でした。

森先生のコーヒーブレイクの後は、繁田先生が「診断エラー」について話してくれました。

ヒトは間違うものである!を前提として、なぜ間違うのかについて、臨床推論で陥りやすい罠を教えてくれました。


そして、当直時に遭遇した診断エラーをわかりやすく説明してくれました。

そして、最後に自己省察!
楽しい講義となりました。私の講義では寝ている学生さんも、この日は誰一人寝ていませんでした。
繁田先生、森先生、素晴らしい講義を企画してくれて、本当にありがとうございます。先生方にとって、記念すべき第1回目の講義はしっかり録画させていただきました。次年度も是非お願いします。
4月からは一緒に汗をかきましょう!
文責 瓜田純久
———————————————————————————————————–
12月12日、日本医科大学で開催された第13回東京総合診療カンファレンスで佐々木陽典先生が難治性吃逆の症例を発表しました。

カンファレンスは順天堂大学の症例報告からはじまりました。そこで司会を担当し、大いに症例報告を盛り上げてくれました。続けて発表した症例は難治性吃逆で来院した視神経脊髄炎の症例です。もしMRIがなかったら、どうして診断したのかと、今でもぞっとしています。

前田先生(後頭部)も順天堂大学の症例では診断に迫る鋭い質問をして、カンファレンスを盛り上げてくれました。

研修医の松本先生、堤先生、森先生、そして台湾からの留学生2名が参加してくれました。台湾の医学生は日本最後の夜に東京総合診療カンファレンスに参加し、とても有意義な時間を過ごしたと話していました。総合診療科を選んでいただき、ありがとうございました。

懇親会が終わり、千駄木駅に向かう途中にみえた日本医大の病棟です。創立140年を超えるわが国最古の私立医科大学の重厚さが圧倒的な存在感を示しており、思わずパチリ!
2020年3月7日に日本医科大学総合診療科教授 安武正弘教授は、第71回日本老年医学会関東甲信越地方会を主催されます。演題募集中です。そちらもみんなで参加しましょう!
文責 瓜田純久
———————————————————————————————————–
12月2日(月)蒲田のサルバトーレで総合診療科 大忘年会を開催しました。ホテル相鉄フレッツエの1Fにあるサルバトーレは忘年会、納涼会で使用させていただいていますが、大学から徒歩12分という近さ、飲み放題、おいしいピザが安価に頂けます。

今年は竹内先生、竹本先生が幹事を務めてくれました。佐倉病院に出向中の河越先生も参加し、レジェンド看護師の深津さんの挨拶で始まりました。

医局秘書の小林さんもビンゴで活躍。

多くの看護師さん、MRさんも参加してくれました。

イタリアンは基本的に炭水化物です。皆さん、よく食べる食べる(^_^;)

今年は医局長の宮崎先生が院内講師に昇任し、皆でお祝いすることもできました。

佐倉病院から来てくれた河越先生も、大好きな橋本さんと、嬉しそうに旧交を温めていました。

台北からの留学生も参加してくれました。礼儀正しい医学生で、佐々木先生の指導を受けています。

5月から獨協医科大学埼玉医療センターに栄転した石井先生も駆けつけてくれました。11月からは院内准教授として活躍しています。

医局の兄貴分、看護学部教授の荒井先生も来てくれました。宮古島出身の看護師さんと行った二次会は沖縄料理でした。なんと17名が二次会に来てくれました。

4月から総合診療科に入局予定の森先生、繁田先生です。レジデントが受ける試験で東西の横綱にランクされた二人です。総合診療科での活躍が楽しみです。
この1年、いろいろありましたが、皆様のおかげで、総合診療科も無事年越しを迎えられます。特に病院長となった瓜田が医局にいる時間が短くなり、みんなにご迷惑をおかけしてしまいました。申し訳ありません。
年度末は小松史哉先生、鈴木健志先生、竹本育聖先生が学位を授与される予定です。2020年が皆様にとって素晴らしい年となることをお祈り申し上げます。来年もよろしくお願いします。
文責 瓜田純久
—————————————————————————————————————-
11月30日(土)に内科学会認定救急講習会であるJMECCの記念すべき第10回目が開催されました。
今回も当科客員教授でもある藤沢市民病院西川先生にディレクターとなっていただき、当科から栄転された獨協医科大学埼玉医療センター総合診療科准教授の石井先生、いつもブース長をお願いしている東邦大学医療センター佐倉病院循環器内科の美甘先生、私の3名がブース長をつとめさせていただきました。
はるばる名古屋や栃木から多くの指導者の先生方にご参加いただき、3ブースとも受講生・指導者とも上限となる6名での開催となりました。
今回のJMECCで特筆すべきは、インストラクターの素晴らしさもさることながら、受講生のやる気と若さと多様性だったと思います。大森病院からだけではなく東邦大学3病院を中心に多くの病院から研修医の先生方を中心とした、やる気に満ちた若手の先生方にご参加いただき、どのブースも活発に講習が行われました。
私もブース長を務めさせていただきましたが、素晴らしいインストラクター、アシスタントインストラクターと優秀で明るい受講生に恵まれ、今までで一番楽しいJMECCのインストラクション経験となりました。
ランチョンセミナーでの西川ディレクターの講演では「狭い専門に偏った研修の結果、専門病院外でも狭い専門分野しか診ない内科医が増加しており、地域とミスマッチを起こしている」との認識から「全身を診ることができる内科医を育成するためのGeneralな研修が不足しているのではないか?」との問題提起に基づき、新内科専門医研修が作成されたとのお話をいただきました。病院総合医の私は大変強い感銘を受け、改めて西川先生にご指導いただける幸運を感じました。
JMECC後に開催された寿司「川むら」での懇親会にも、いつもより多くの受講生が参加してくれ、店内がいっぱいになるほどの盛況でした。
受講生の皆様、お疲れ様でした。次はインストラクターとして一緒にお仕事できる日を楽しみにしております。
ご多忙のなか、遠方からも多数ご参加いただいた指導者の先生方、事務局の並木先生、平田様、会場・機材の手配に尽力してくださったシミュレーションラボの土井先生、写真撮影や懇親会までお心遣いくださった瓜田院長、そしてディレクターの西川先生に改めて感謝申し上げます。
次は3月開催予定です。詳細が決まりましたら報告させていただきますので、奮ってご参加ください。


第1ブースでの研修の様子


第2ブースでの研修の様子


第3ブースでの研修の様子




懇親会も盛り上がりました!

懇親会にはJMECCディレクターの西村与四郎(神戸大学)、三浦敏靖先生(名古屋市立大学病院)にもご参加いただきました。

全員の集合写真
みなさん達成感に溢れた顔をされていますね!
文責:佐々木 陽典
———————————————————————————————————–
11月15日(金)大学院生 鈴木健志先生が出張中に積極的に取り組んだ研究、「透析患者における皮膚ガス」を東邦医学会で発表しました。

鈴木先生は腎臓専門医を目指して、川崎幸病院腎臓内科、長岡日赤病院腎臓内科で研鑽を積み、9月に大学に戻ってきました。透析における生体の変化をテーマとして、皮膚ガス成分をGC—MSで解析してきました。

皮膚ガスは血液情報に皮膚腺や表面反応に由来する情報が混在するため、解釈が難しい検体ですが、透析前後での変化を検討することにより、これまでよく分からなかった代謝変化が明らかとなってきました。

研究は結果のわかっている課題で形式的に論文を仕上げても、何も貢献できません。結果が見えないことに取り組まなくてはなりません。鈴木先生はまさに未開拓の領域に手をつけており、今後の展開が楽しみです。
鈴木先生、貴重なデータを解析して頂き、ありがとうございます。オリジナリティの高い論文になります。最後まで頑張りましょう!
文責 瓜田純久
———————————————————————————————————–
11月14日(木)京王プラザホテルで開催されたN型カルシウムチャネル研究会で講演させて頂きました。
東京慈恵会医科大学循環器内科 吉村教授が力を入れている研究会です。循環器を中心とした代謝研究会とでも言いたくなるような、臓器横断的な研究会でした。いかにして心血管イベントを減らすのか?臓器横断的に考えることがコンセプトであると理解でき、とても有意義な時間でした。

座長をして下さった心臓血管研究所 循環器内科部長 永島先生は、下北半島に旅行されたそうで、東北の歴史にとても詳しく、懇親会では歴史談義に花が咲きました。今度は津軽半島をドライブされるそうです。

帝京大学教授 内田先生の尿酸の講演も、とても勉強になりました。特にカルシウムチャネル拮抗薬で生じる浮腫のメカニズムについて、とても理解が深まりました。

東京医科大学総合診療科に在籍された後、地域医療に転じ、この研究会を長年支えている大野先生とも、総合診療についてお話しすることができました。関東の大学病院の総合診療科は、なぜか循環器内科をサブスペシャリティとする指導医が多く、大野先生もそのひとりでした。懇親会はコアメンバーの演者と座長が最後まで残り、N型カルシウムチャネルを肴に、美味しい酒が進みました。
腸管、腎・尿細管は共有するトランスポーターが多く、一方グアニル酸シクラーゼは腸管と心臓で異なるサブユニットとして、水電解質の代謝に関与しています。臓器で共有するシステムは、改めて生体は一つの受精卵から発生したことを思い出させてくれます。分けずに考えることができる思考回路の構築には、基礎医学が必須です。大きな収穫を得た研究会でした。皆様、大変お世話になり、ありがとうございました。
文責 瓜田純久
———————————————————————————————————–
以前に記事(https://www.lab.toho-u.ac.jp/med/omori/soshin/int/news/News20190919-2.html)を掲載させていただいたチョイス@病気になった時 「血尿が出た時」が
11/16(土) 20:00-
から再放送されます。
ご興味のある方は是非ご笑覧ください。
https://www4.nhk.or.jp/kenko-choice/x/2019-11-16/31/4021/1722248/
文責:佐々木 陽典
———————————————————————————————————–
11月6日(水)1時限に貴島祥先生が医学教養Ⅵで「フラクタル次元」について講義しました。医学教養Ⅵは1−3年生を対象とした選択講義です。「臨床医学に役立つ複雑系科学入門」のシリーズ第7弾です。

台湾からの留学生も熱心に聴いていました。

少数精鋭の選択講義です。学生は誰も寝てません!貴島先生の流れるような講義に目を輝かせていました。臨床医の話す数学の講義はなかなか聴けません。
フィードバック機構が生命維持の中心である生体では、多くの現象が周期的に出現し、初期値の変化によって思いがけない変化であるカオスを呈することもあります。周期的現象はフーリエの定理によって、シンプルな波形に集約され、周期関数はオイラーの公式によって、指数関数に変換されます。自己相似性を有する生体の物理的特徴を明らかにするフラクタル解析は、極めてシンプルであるがゆえに、生体の本質を浮き彫りにしてくれることが期待されます。
なぜ、その病変は凸凹なのか?なぜその癌は陥凹しているのか?なぜ自然治癒が起こるのか?複雑系科学では様々な臨床の疑問に解を与えてくれます。
貴島先生、素晴らしい講義をありがとうございました。
文責 瓜田純久
———————————————————————————————————–
JUGLER佐賀ツアー2日目は佐賀大学総合診療部の朝のカンファレンスに参加させていただき、その後に、関連病院である富士大和温泉病院と祐愛会織田病院を見学させていただきました。
佐賀大学医学部附属病院総合診療部は数ある日本の国立大学病院総合診療部門の中で、1986年に最初に設置された歴史ある総合診療の古豪的存在です。
佐賀大学総合診療部の見学ではレジデントの先生が素晴らしいプレゼンテーションを行い、それに対して教授がいくつも鋭い指摘を投げかけ、多胡先生は退院後を含めた今後の診療方針について助言を与えており、伝統を感じさせる素晴らしいカンファレンスでした。
https://www.hospital.med.saga-u.ac.jp/hp/medicalcare/general/index.html
富士大和温泉病院は院内に温泉があり、山間にある穏やかな病院でしたが、患者数は多く、大変充実した研修が行えているようでした。佐賀大学総合診療科出身の常勤医による指導に加えて、医局から定期的に指導医が「訪問指導」に訪れて、実際にベッドサイドで一緒に回診・指導に当たるという素晴らしいシステムが構築されており、「指導医が出せないから関連病院での研修は困難」という先入観が打ち砕かれ、とても参考になりました。
後期研修医の先生が「大学病院では急性期治療をして転院させるまでがゴールだったけど、この病院で転院した後、退院した後や生活にまで継続的に関われることが研修の魅力」と語っていたことが印象的でした。

(院内の温泉施設の見学に向かう鋪野先生)
東邦大学総合診療科では、大学病院であっても円滑な転院が行えないケースが少なくなく、大学の中で「急性期治療—退院調整—退院後の診療」まで行なっているのが現状です。これはこれで、大学内で退院後の患者さんの生活まで意識した診療研修が行える環境とは言えるかもしれません。しかし、病院の性質上、退院後の診療の研修に向いているとは言えません。大学病院と市中病院が良好な関係で連携して研修が行える佐賀大学総合診療科の研修システムは理想的なモデルの一つであると再認識しました。
信頼できる指導医がいる関連病院と患者さんや研修医をやり取りできる安定的な関係を構築できていることからも、佐賀大学病院総合診療科の歴史の重みとを実感しました。
祐愛会織田病院は全国的に知られている先進的な病院であり、病床数111床と小規模であるにもかかわらず、地域の開業医の先生からの入院を絶対に断らない「オープン病床」システムを導入しています。その維持のために、入院診療とシームレスな退院直後の在宅診療や、IT技術を駆使して、患者さんの自宅を病室と見立てて、タイムリーできめ細やかな在宅診療を遂行するためのMedical Base Campによる質の高い医療を実践している素晴らしい病院でした。医療経済が厳しさを増すなか、民間病院でありながら「患者のためにいい医療を実践していれば、保険制度は後からついてくる」という崇高な理念を貫く病院の姿勢に感銘を受けました。
また、佐賀大学病院総合診療科は医師の派遣だけではなく、織田病院で実践されている先進的な取り組みを研究という形で発信することで病院の価値を更に高めており、まさに理想的な関係を構築していると感じました。
今回の見学の最も重要な点はJUGLERのメンバーと共に見学して意見交換できたことです。それぞれの先生方が活発に質問・議論され、その様子からもエネルギーとヒントをもらえました(和足先生のパッションがすごかったです)。移動中に私の愚痴を聞いてもらえたことも癒しになりました(笑)。
素晴らしい機会を与えてくださった多胡先生、山下教授、藤原先生、林田さん、織田先生、森先生、西先生、をはじめとした佐賀大学総合診療科、富士大和温泉病院、織田病院の皆様に心より感謝申し上げます。
文責:佐々木 陽典
———————————————————————————————————–
JUGLERとはJapan University General medicine Leadership and Education Roundtable日本大学総合診療リーダーシップ・教育円卓会議の略称のことです。2018年10月に「学会・専門医制度等の既存の枠に囚われず、自分たちの理想の病院総合医」の姿を明確にして、大学病院総合診療科の必要性を発信する」ことを目的に結成された大学病院総合診療科の若手リーダー達の集まりです。
メンバーは発起人の佐賀大学の多胡講師、獨協医科大学志水教授、順天堂大学高橋先生、千葉大学鋪野先生、島根大学和足先生、私(佐々木)からなり、5月の第10回日本プライマリ・ケア連合学会、9月の第19回日本病院総合診療医学会で病院総合医のコア・モジュールを提唱してきました。

(左から和足先生、鋪野先生、志水先生、多胡先生、私、高橋先生です。)
今回は相互理解と交流を深める為の試みとして、発起人である多胡先生に講演会と見学にご招待いただきました。
10月31日の夜に開かれた講演会では学生さんや研修医の先生を含めて若手からベテランの先生方まで大変多くの皆様にご参加いただきました。

私も学生の講義や学会発表等、かなりの場数を踏んできており、プレゼンテーションにはある程度自身がありますが、今回の講演会は、超一流のプレゼンターでもある先生方と共に登壇するということで、これまでで一番プレッシャーを感じました。ドキドキしながらの低ナトリウム血症に関する講演でしたが、「わかりやすかった」との感想をいただけて安心しました。

(緊張の面持ちの佐々木です)
「人生の目標は何か?」という問いかけから始まり、「キャリアプランを示してほしい」という願いは「安心させてほしい」という願いに過ぎず、「自分の未来に期待して、自分の将来に責任を持て」と喝破する高橋先生のお話は本当に心に響きました!

(TED顔負けのプレゼンをしてくださった高橋先生)
「日頃、根拠に基づいた医療を実践しているはずの医者が、根拠に基づいた教育を実践していない!」という現状への問題提起から始まった鋪野先生の講演では、金科玉条のように行われている「褒めて、叱って、褒める」というサンドイッチ・フィードバックが有効な教育法とは言えないこと等、留学されたマサチューセッツ総合病院医療者教育修士過程での経験を活かして、最新の知見に基づいてお話いただき、目から鱗でした。

(丁寧でわかりやすいレクチャーをしてくださった鋪野先生)
診断エラーに関する和足先生のお話では、ご自身の最新の研究結果をシェアしていただきました。判例を用いた診断エラーに関連した医療訴訟の危険性の高い初期診断名として「上気道炎」、「非出血性」、「異常なし」が示されているとの結果であり、まさに私達が後輩に対して、安易に「風邪」、「胃腸炎」、「便秘」
とゴミ箱診断したり、病歴(突然発症・増悪傾向等)を軽視して、初期検査で異常がなければ「異常なし」と判断してはならないと指導していることの妥当性を客観的に示した素晴らしいデータでした。そして、何よりも、このような実臨床で患者さんの安全を守るために大切な内容を研究論文として発信できる和足先生の辣腕に改めて感服しました。研究至上主義の大学病院が頂点である日本の医療の現状で、研究・論文という大学における共通の通貨を持つことで、新規参入組である総合診療の重要性を認知してもらう為に研究をリードする総合診療医Academic Hospitalistを育成することの重要性を痛感しました。

(情熱ほとばしるレクチャーをしてくださった和足先生)
診断戦略を総合診療領域の中核的な研究領域と位置付けてこの領域を牽引されている志水先生からはJUGLERの提唱するコア・モジュールを紹介していただいたうえで、診断戦略と生涯教育について、最新の診断戦略や教育における3つのReflectionとAbductionなどをご紹介いただき、講演会をまとめていただきました。

(この表情から察するに教育について「魁!男塾」のエピソードをお話されている時の志水先生では?)
(私の話はさておき)どの先生のご講演もそれだけで90分聴きたくなるような、他では絶対に聴けない貴重な内容でした。このような贅沢な講演会を実現してくださった多胡先生の行動力に脱帽です。

(これ以上ない素晴らしい講演会を実現してくださった多胡先生)
さらに講演会の後には、多胡先生のご厚意でお城のような素晴らしいレストランで楽しい時間を過ごさせていただき、JUGLERメンバーの熱い議論は夜中まで続きました。

講演会後のレストランで
私はプレッシャーから解放されて表情筋が弛緩しまくっています(笑)。
講演を企画してくださった多胡先生、医局秘書の林田さん、ご参加いただいた皆様に感謝申し上げます。
文責:佐々木 陽典
———————————————————————————-
10月25日(金)26日(土)に第11回日本安定同位体・生体ガス医学応用学会を大森病院臨床講堂で開催ました。

本学会は1985年に設立された13C研究会と呼気病態生化学研究会が合流して発足し、11年目を迎えた学会です。34年の歴史があり、非侵襲的な医療の確立を目指して、多くの先生が参加してくれております。会員数170名のコンパクトな学会ですが、それだけにこの学会以外では遭遇することがないようなコアな発表が多く、活発な討論が行われます。

今回は弘前大学医学部附属病院 内分泌内科・糖尿病代謝内科 講師の柳町幸先生が会長を務めてくださいました。弘前大学のスタッフが大勢大森病院に参集し、円滑な進行でした。

安定同位体の報告は年々増えて行きますが、13Cの論文は伸び悩んでいます。東邦大学総合診療科は毎年13C関連論文を発表したしていますが、さらにアクセルを踏み込みたいと思います。

次回会長の松山大学薬学部 明楽一巳教授が特別講演をされ、薬物合成とその応用について、熱くお話しました。
活発な議論は懇親会へと続きました。

中村光男理事長からも、大変有意義な学会であったと、労いのお言葉をいただきました。

スタッフの皆さん、本当にご苦労様でした。前日の役員懇親会では、弘前大学の学生さんが貴重な日本酒を実家の酒蔵から提供していただきました。とても美味しくいただきました。ありがとうございます。

前回、大会長である横浜市大教授の稲森先生も、最後までご参加いただき、ありがとうございました。医学教育など、多くの意見交換ができました。

二次会は梅屋敷の食彩工房さんです。急な大勢で押しかけたのでに、美味しい料理をたくさん出してくれました。ありがとうございます。

会長の柳町先生は、重責から解放され、ホッとした表情です。本当にお疲れ様でした。素晴らしい学会をありがとうございました。
次回は愛媛県松山市で開催されます。また、みんなで参加して、勉強したいと思います。
事務局の佐藤さん、ありがとうございました。
文責 瓜田純久
———————————————————————————————————–
佐々木陽典先生がNHK Eテレ「チョイス@病気になったとき」に出演し、血尿についてお話しました。

尿管結石、膀胱癌、IgA腎症など、患者さんと泌尿器科 中島耕一教授のご協力をいただいて、とても解りやすい構成となっていました。

顕微鏡的血尿は医師国家試験にもよく出ます。肉眼的血尿は一旦よくなっても、必ず病院で検査を受けることが重要であると、強調していました。特に、膀胱癌の場合には、肉眼的血尿だけで来院する場合があり、注意が必要です。


すっかりNHKの常連となった佐々木先生ですが、今回はアクシデントがありました。当初は10月12日(土)の放送予定でしたが、台風15号の影響で延期となり、何と再放送が先に放送されました。10月12日(土)予定の番組は11月16日(土)20:00からオンエアされます。ご協力いただいた泌尿器科 中島教授も手術について丁寧に解説してくれています。ご指導ありがとうございました。
またご協力いただいた患者さんにも、この場を借りて厚く御礼申し上げます。
文責 瓜田純久
———————————————————————————————————–
10月19日(土)東京ビックサイトで開催された第31回日本超音波医学会 関東地方会で、小松史哉先生が「フラクタル次元を用いた甲状腺超音波像の検討」を発表しました。

1992年からはじまった伝統ある日本超音波医学会 関東地方会は、会員数が5100名を数え、全国規模と同等以上の学会です。今回は大橋病院放射線科の関口隆三先生が会長を務め、多くの先生がビックサイトに集結しました。私は青森で開業していましたが、超音波学会への思いが強く、第1回から参加させていただいております。

放射線科の関口先生はラグビー部の先輩であり、がんセンターで多くの業績をあげて本学に戻ってくれました。先輩の開催する学会に、何とか演題を出したいと考えていましたが、小松先生が学位論文を少し発展させて発表してくれました。

今回は一般演題であり、フラクタルの原理を聴衆に理解していただくには、短すぎました。小松先生も苦心のスライド作りでした。

それでも自治医大の先生から質問があり、小松先生は理路整然と答えていました。

超音波検査はとても魅力的なツールです。ではどれだけの大きさに反応して画像を結ぶのか、意外に理解されていません。高校生の時に学習した物理では、音速=周波数×波長 であることを思い出すことができます。この波長よりも大きいものに反応して、音源に音波が戻ってきます。音速は一定ですので、周波数を上げると波長が小さくなり、より小さなものを描出できることがわかります。
フラクタル次元は物差しが指数関数のため、掛け算を足し算に変換する対数グラフにすると、その次元は線形の直線で示すことができます。そのため、周波数、焦点深度、ゲイン、関心領域とプローブの距離に影響を受けることなく、次元を求めることができるため、使用した機種による違いは理論的にほとんど影響しないことになります。モニターの解像度も影響はありません。
フィードバック機構が生命維持の中心である生体では、多くの現象が周期的に出現し、初期値の変化によって思いがけない変化であるカオスを呈することもあります。周期的現象はフーリエの定理によって、シンプルな波形に集約され、周期関数はオイラーの公式によって、指数関数に変換されます。自己相似性を有する生体の物理的特徴を明らかにするフラクタル解析は、極めてシンプルであるがゆえに、生体の本質を浮き彫りにしてくれる手法です。総合診療における臨床推論にとって、極めて重要な思考回路であり、研究テーマは尽きない領域です。小松先生、本当にご苦労様でした。学位審査も頑張りましょう!
文責 瓜田純久
———————————————————————————————————–
ラグビーW杯で日本が感動的な試合を続け、日本中が3連勝に湧いています。ラグビーとまったく関係ありませんが、10月7日(月)9:00から、貴島祥先生が臨床医学7の講義で「がん難民」について4年生に講義をしました。

がん診療は、がん拠点病院が整備され、集約化される傾向が強まっています。しかし、がん専門病院は標準的治療を提供しますが、合併症や基礎疾患への対応には比較的淡白となっているのが現状です。また、専門病院での治療を希望する患者さんだけではなく、高齢化に伴って居住する地域で次善の治療を希望される患者さんも増えています。標準的治療が終わった方は、治ろうが治らなかろうが、基礎疾患を診療している後方病院で経過をみることが多く、がんの治療効果が得られない場合には、患者さんは行き場を失ってしまいます。

貴島先生は癌研有明病院で後期研修を行い、東邦大学 総合診療科に入局してくれました。数多くの標準的治療を行った経験と、総合診療において標準治療終了後に行き場を失った患者さん、また原発不明癌のように治療を担当する診療科が決まらない患者さんを積極的に診療してくれました。

系統講義では、標準的な診断と治療は学修できますが、基礎疾患や認知症、家族の理解が得られず治療が不十分となる場合があり、これは系統講義では学ぶことはできません。

そのような講義ができるのは、本学では貴島先生だけです。学生さんも熱心に聴き入っていました。貴島先生の講義は、学生さんの心に響いたはずです。
貴島先生、素晴らしい講義をありがとうございました。11月のフラクタル講義もよろしくお願いします。
文責 瓜田純久
———————————————————————————————————–
2019年10月5日(土)に第50回日本消化吸収学会総会を開催させて頂きました。136名と大勢の先生方に参加していただきました。この場を借りて、御礼申し上げます。

大会テーマは「セレンディピティの追求」としました。すてきな偶然に出会ったり、予想外の発見をしたり、探しているものとは別の価値があるものを偶然見つけたときの驚きと幸福感を感じさせる学会を目指しました。トランスポーター研究会の第4回東部会と同時開催とさせていただき、その機会は大きく増えたように思います。

前日の4日(金)には、学会創立50周年記念講演会を開催しました。名誉理事長で日本大学名誉教授の荒川泰行先生が「日本消化吸収学会 50 年の歩み」と題して、御講演をいただきました。

また、滋賀医科大学名誉教授,医療法人友仁会友仁山崎病院 馬場忠雄先生は、「消化吸収との関わりから期待すること」と題して、消化吸収研究の歴史について、創生期から最新の研究まで紹介していただきました。そして、「消化吸収機能はStaticからDynamicへ」とまとめてくれました。

懇親会にはブリストル大学から招聘したNicola Roony先生も参加していただき、ベジタリアンメニューを楽しんでました。財先生が流暢な英語でもてなしてくれました。

医局から前田先生、小松先生が参加してくれて、事務局として支えてくれた佐藤さんをサポートしてくれました。

荒川先生は二次会まで参加して下さいました。また、懇親会の後半から、東邦大学東邦会会長の額田均先生が駆けつけてくれました。ラグビー好きのニコラ先生に、ニュージーランドのラグビー経験をもとに、英語で挨拶をして頂きました。夜遅くまで、二次会はラグビーの話題で盛り上がりました。
5日(土)はWS「腸管と腎・尿細管のクロストーク:吸収から物質輸送まで」 から始まりました。千葉大学薬理学 安西尚彦教授に企画をお願いしたテーマです。消化管と腎・尿細管は共有するトランスポーターも多く、研究テーマが重なります。各先生方は私の予想を超えて、腸管と腎・尿細管の臓器相関の深さを再認識させてくれました。佐々木陽典先生は「血清ナトリウムの調節と血清ナトリウム異常へのアプローチ 」を発表してくれました。

そして、招聘講演はブリストル大学獣医学部のニコラ・ルーニー先生です。
How can companion animals improve human
health?
─ the value of trained medical detection dogs
と題して、動物との暮らしが、多くの疾患の予後を改善していることを講演して下さいました。

前日の懇親会で打ち解けていたニコラ先生は、とても楽しそうに講演されてました。当初は日本の臨床医が動物による治療効果に興味があるのか、とても心配されていました。しかし、懇親会で多くの先生と話すことができ、講演も満足できる内容だったようです。「とても素晴らしい経験で、光栄でした」とお礼のメールが届きました。

佐々木陽典先生がニコラ先生に質問され、ニコラ先生も嬉しそうに応えていました。

佐々木先生はこの発表直後、患者さんが急変し、病棟に戻っていきました。
午後のシンポジウム「糖尿病と消化吸収」では、佐倉病院に出向している河越尚幸先生が「13C-グルコース呼気試験を用いた2型糖尿病患者における糖代謝の検討」を発表してくれました。この後、大阪に遊びに行く予定の河越先生は、発表を終えると嬉々として出かけて行きました。

そして、夕方の教育講演では、私の同級生で岩手医科大学薬理学教授の小笠原正人先生が「ヒスタミンの産生・吸収・代謝,そして受容体の新たな役割についての最近の進歩」について講演してくれました。血圧低下物質として発見されたヒスタミンについて、その吸収と代謝から各臓器の細胞内での役割、ヒスタミン中毒まで、他で聴いたことがないような独創的な内容に、会場は静まりかえっていました。

前日の懇親会から参加していただき、ありがとうございました。
羽田空港ギャラクシーホールは展望台に隣接しており、会場付近は週末でもあり、家族連れで大変賑わっておりました。

また、当日はビル2Fでくまモンのイベントが開催されており、賑やかでとても明るく、ピースフルな雰囲気でした。

飛行機の離着陸をみながらの講演会は、異次元空間で学会を行っているような、不思議な気分でした。

共催のトランスポーター研究会第4回東部会にも75名の参加があり、合わせると211名の先生方が来場して下さいました。当初は羽田空港での開催が、果たして適しているのか、とても迷いましたが、多くの先生に来ていただき、安堵しています。
本学会は50年の節目を迎えますが、歴代の学会長は私が学生時代に読んだ教科書を書いているような高名な先生ばかりです。その50番目に私の名前があるのは、なんとも不思議な気分で、何だか申し訳ないような気持ちでした。それでも、閉会式では多くの先輩方が、「大成功だったよ!」と、握手を求めてきてくれました。
事務局を担当してくれた小松史哉先生、学位論文の仕上げをしながら、とても大変な作業をこなしてくれました。ありがとうございました。また、佐藤さんも杉本元信教授時代から多くの学会開催を経験され、いつもながら配慮の行き届いた運営を行って下さいました。ありがとうございます。また、学会中の留守を守ってくれた医局の先生方、ありがとうございました。
来年は京王プラザホテルで、東京女子医科大学の清水京子教授が開催されます。また、多くの演題を出せるように、頑張りましょう!
文責 瓜田純久
———————————————————————————————————–
9月14日に佐賀で開催された第19回日本病院総合診療医学会総会において、佐々木陽典先生が日本病院総合診療医学会 2019年論文学会賞を受賞しました。

朝イチのシンポジウムでは救急救命センターと総合診療の連携について討論され、佐々木先生は佐賀大学の阪本教授とともに司会を務め、長い一日が始まりました。
昼の評議員会では2019年度研究助成金に採択され、二重の吉報となりました。
こちらは前立腺癌と生体ガスの関連についての研究です。研究結果を楽しみにしていてください。
午後はシンポジウム4で「病院総合医育成のコアモジュール」ではシンポジストを務め、そのシンポジウムを抜け出して、第6会場から第1会場に移動。汗をかきながら、受賞講演を行いました。

佐々木先生は感染性腸炎に行われている経験的抗菌薬投与がその後の経過にどのような影響を及ぼしているかについて検討しました。その結果、抗菌薬投与群で入院期間が長くなっていることを報告し、CRP, WBC値に治療が影響され、退院が遅くなっている可能性を明らかにしました。

気をつけ!の姿勢で林純理事長の表彰を受ける佐々木先生。少しスーツがきつくなったようにも見えます。

東邦大学の大先輩で九州大学名誉教授の林純先生。退官後もまったく変わらず総合診療を実践している姿勢には、本当に頭が下がります。
この表彰式の5分後には、第3会場で教育講演の座長を務め、沖縄中部病院でお世話になった小西竜太先生の講演を盛り上げていました。
その後は若手部会の呑み会に、研修医の繁田先生、小川先生、松本先生を連れてなだれ込みました。繁田先生によると、午前1:00まで呑み会は続いたそうです。お疲れ様でした。
佐賀大学は総合診療発祥の地であり、学会は重鎮の講演も多く、魅力的な企画が並びました。佐賀大学の先生方、素晴らしい学会でした。ありがとうございます。閉会式の山下教授の挨拶がとても印象的でした。
「30年前の救急学会が今のような熱気でした。救急医学の理念や救急科の役割や立ち位置について熱い議論があり、救急科が存続できるのか、不安をもちながら試行錯誤して、救急医学は誰もが認める存在となりました。近い将来、必ず病院総合診療医は誰もが認めるなくては成らない存在になっていると確信しました。」
山下会長、このご挨拶を聴くことができただけでも、佐賀に行った甲斐がありました。ありがとうございました。
文責 瓜田純久
———————————————————————————————————–
9/16にNHK Eテレ チョイス@病気になった時「血尿」の収録に行ってまいりました。
今回は佐賀で開かれた第19回日本病院総合診療医学会の翌日の収録となり、準備が思うように進まず、ディレクターやお世話になった先生方にもご迷惑をおかけしてしまいましたが、皆様のおかげでなんとか無事に収録を終えました。
今回で「チョイス@病気になった時」に出演させていただくのは3回目になりますが、やはりとても緊張しました。そんな中、お互いの子供の話で場を和ませてくれたアナウンサーの出田さんをはじめ、出演者の八嶋さん、大和田さん、スタッフの皆様にやさしく声をかけていただいたおかげで緊張がほぐれました。
回を重ねるたびにテレビ局の制作スタッフの優秀さというものを実感致します。「これを読んで勉強してきました。」と言われて最新の診療指針を持ってこられた時にはドキッとしました。
番組の制作スタッフからは総合診療で話題となっているHigh-value careやChoosing wiselyに繋がるような鋭いご指摘・ご質問をいただき、とても有意義なお話させていただくことができました。
インターネットの普及などもあり、知るための努力をすれば誰でも様々な情報に触れることができる現代においては、情報や知識の非対称性に胡座をかいて専門性を維持するのではなく、積極的に患者さんやメディアに対して情報・知識非対称性(偏り)を是正して「患者と医療者の共同意思決定 (shared decision-making)」のための正しい情報を発信してゆくことが医師、特に総合診療医の務めではないかと改めて感じた1日でした。
今回のテーマは血尿ということで不勉強な分野も含まれていましたので、泌尿器科の中島教授にご丁寧にご指導いただきながら準備を進めました。
相変わらず拙い説明ではありますが、10月12日 午後8:00から放送予定ですので、ぜひご笑覧ください。
文責:佐々木 陽典
———————————————————————————————————–
9月14-15日に伝統ある佐賀大学医学部総合診療科の山下秀一教授が会長として佐賀市文化会館で開催された第19回日本病院総合診療医学会学術総会にたくさんの医局員、研修医、そして学生と共に参加してまいりました。
今回は、公私ともに大変お世話になってきた佐賀大学の皆様の大会ということで、なるべく多くの演題を出して佐賀に行こうと考え、座長等を含めると、医局員全体で17演題に登壇しました!
更に今回は医学生の先生にも教授の指導のもと研究内容をポスター発表してもらいました!盛り沢山ですが、報告させていただきます。
学生発表:
本学4年生の林くんは瓜田教授の指導のもと「セルオートマトンを用いた感染症伝搬モデルの数理解析と院内感染対策の検討」という、ベテラン医師でも尻込みしそうな内容について発表してくれました!惜しくも育成賞受賞はなりませんでしたが、素晴らしい発表でした。

(林君)素晴らしい発表でした。来年が楽しみです!
研修医発表:
研修医2年目の繁田先生は前回の沖縄に引き続いて本学会2回目の登壇となりますが、自身の経験した印象深い症例について文献を含めて詳細に調べ、「腫瘍の脊髄圧迫症状で受診して低Na血症の精査により診断に至った原発不明異所性ACTH産生腫瘍の一例 」について口演で発表し、見事な臨床推論を展開し、なんと初期研修医育成賞を獲得しました!

(繁田先生)大会長の山下先生と満面の笑顔でパシャリ!
惜しくも、受賞はならなかったものの学会初体験の1年目研修医の松本先生も、過酷な研修医の合間に丁寧に症例について調べ、総合診療医の診断推論が光った「大動脈炎を呈して診断に苦慮した多発血管炎性肉芽腫症の一例」を口演してくれました。

(松本先生)笑顔が達成感を物語っていますね!
2年目研修医の小川先生も初めての学会発表でしたが、見やすくて印象的なポスターを作り上げ、「SpO2モニターでの奇脈により診断に至った大量胸水の一例」について初めてとは思えない堂々たる発表を成し遂げてくれました。

(小川先生)わかりやすい発表だったので、たくさんの先生が興味を持って質問してくれましたね!
医局員達の発表:
柏木先生は得意分野である感染症の知識を活かして「鶏の内臓の生食によりランブル鞭毛虫症と赤痢アメーバ腸炎に罹患したと考えられた一例」についてポスター発表してくれました。

(柏木先生)朝、病棟の患者さんをみてから東京から駆けつけてくれました!西日の射す中での発表の姿です。
山田先生は多忙な日常臨床の合間に着々と準備を進め、なんと今大会で「Cheyne-Stokes呼吸が診断のきっかけとなった脳梗塞の一例」と「胸部 X 線でDouble contourとNiveauを呈した食道裂孔ヘルニアの一例」の2演題を口演で発表してくれました。本人曰く学会発表は苦手とのことですが、苦手だとは微塵も感じさせない、彼の強みである臨床的センスの光る堂々の発表と質疑応答でした!

(山田先生)1学会で2演題発表の大活躍です。
鈴木先生も超多忙な臨床・研究の合間を縫って学会に駆けつけ、教訓に富んだ貴重な「頸髄損傷と下顎打撲と誤診された破傷風の一例」について、診断エラーの視点から素晴らしい口演での発表をやり遂げてくれました!なんとその後は佐賀からトンボ帰りでした。お疲れ様でした!

(鈴木先生)神妙な面持ちで発表の後は佐賀ラーメンを平らげてとんぼ返りです。
大学院生でありながら、既に研究に関して当科の大黒柱になりつつある小松先生も学会に駆けつけてくれ、大変貴重な「カテーテル塞栓術により治療した感染性肺動脈瘤の一例」についてエレガントに発表してくれました。

(小松先生)妬ましいほどにスーツ姿がカッコよく決まっています。
レジデントの兄貴分である古谷先生には私が発表した最新の疫学研究である「右半結腸憩室炎と急性虫垂炎の鑑別」に関する論文(https://www.wjgnet.com/2307-8960/full/v7/i12/1393.htm)の内容について、発表してもらいました。ありがとうございました!

今回の学会では私自身が演者や座長を務める演題が多すぎて申し訳ないことに研修医やレジデントの発表を応援しに行くことがほとんどできませんでした。そんな中、瓜田教授が学生の林君はもちろんのこと、全ての研修医・レジデントのもとに足を運び、応援と写真撮影をしてくれました!これほど後輩を思ってくれる教授は他にはいないと思います。

学生発表の林君とそれを見守る瓜田教授の背中。一番好きな写真です。
そして、これほど多くの医局員がはるばる佐賀の地まで参加できたのも、他の医局員が外来・病棟を守ってくれたからです。ありがとうございました!
次は来年2月の博多で記念すべき第20回大会です!みんなで行きましょう!
文責:佐々木 陽典
———————————————————————————————————–
縦割りの旧カリキュラムでは、総合診療に関する講義は極めて少なかったのですが、2016カリキュラムでは臨床医学7を担当することになり、担当講義が大幅に増えました。
総合診療科では佐々木陽典先生が総合診療、貴島祥先生が癌診療、宮﨑先生、前田先生が感染症・感染管理について講義をしてくれます。また、OBの先生が地域医療、僻地医療について話してくれました。
本日は臨床医学7の肝である総合診療医学9コマを担当してくれた佐々木陽典先生の最終回でした。


佐々木先生は大学病院における総合診療、そして日常診療における総合診療の意義を、研修医時代の体験をもとに熱く話してくれました。

沖縄中部病院でトレーニングを受けた佐々木先生のプレゼンはとても解りやすく、学生から講義に指名されることが多く、見習うべきことがたくさんありました。
大学病院は「良き臨床医」だけではなく、「良きリーダー」を育てなければなりません。この講義を聴いていた4年生から、多くのリーダーが育つことを願っております。
佐々木先生、お疲れ様でした。
文責 瓜田純久
———————————————————————————————————–
7月22日(月)に医学部4年の臨床医学7:地域医療の講義に、中嶋均先生(客員教授)、中田正幸先生(客員講師)がお越し下さり、熱い講義を行ってくれました。

日本語、英語だけではなく、ドイツ語にも堪能な中嶋均先生は、昨年3月まで本学総合診療科の教授としてご活躍でした。今回の講義のテーマはなんと「漢字」でした。「嘔気(おうき)」を「おうけ」と読む学生が多いことは、皆さん知ってますか?14年ぶりに大学に戻った私は、大変驚きました。学習するツールが増えた現在の医学教育において、漢字が盲点になっていることにショックを受けました。

中嶋先生からは大森病院だけで通用する医学用語なども紹介され、学生たちは目を丸くしていました。弘前大学を卒業し、都立駒込病院、アメリカ留学、青森県黒石市立病院など、多くの病院で診療してきた先生からの、熱いメッセージでした。中嶋先生、ありがとうございました。
3時限目は旧第一内科や埼玉県立がんセンターで肺がん治療を精力的に行ってきた中田正幸先生が、聴診について講義をしてくれました。

昭和57年に本学を卒業された中田先生は、埼玉県立がんセンターで学び、大森病院に戻られてからは、胸部単純写真1枚で30分もお話しされる熱血指導医でした。今回は聴診所見について、図解とジェスチャーを巧みに用いて、とてもわかりやすく解説してくれました。

この黒板の図は永久保存版です!学生たちも熱心に聞いていました。
中嶋先生、中田先生、熱い講義をありがとうございました。学生の記憶に残る講義になったことと思います。来年も何卒よろしくお願い申し上げます。
文責 瓜田純久
———————————————————————————————————–
7月16日(木)17:45から、湘南鎌倉病院のDr Branchをお招きして、症例検討会を開催しました。総合診療科をローテートしている初期研修医、医学部5年生(2011カリキュラム)、4年生(2016カリキュラム)だけではなく、試験期間中の3年生まで参加してくれました。

今回のテーマは難治性のしゃっくりHiccupでした。1年前に感染性腸炎で入院した際、なぜかしゃっくりが出てました。その後しゃっくりは消失しましたが、1年後に頭痛、しゃっくり、耳痛で来院した症例でした。

初めてこの症例をみたDr Branchはいつものように理詰めの臨床推論を展開していきました。


血液検査、画像診断を行うことなく鑑別診断を進め、最終的に必要な検査を選択して、診断を確認するプロセスは、科学であると同時に芸術のような圧倒的な説得力があります。

学生のみんなもBranchの質問に積極的に答え、熱心にメモをとっていました。

佐々木先生の流暢な英語でのプレゼンテーションとライブ解説によって、セミナーはテンポよく進んでいきました。学生たちは、佐々木先生が留学経験のないことに大変驚いていました。

最後には質問に来たみんなと記念撮影です。とても勉強になり、明日への活力をいただきました。
参加してくれた医局の皆様、学生の皆様、本当にありがとうございました。第3回も企画しますので、ぜひお待ちしております。
文責 瓜田純久
———————————————————————————————————–
梅雨空の月末、6月30日(日)国立博物館にアイヌ・琉球展を見に行ってきました。そのとき、別なブースでなんと解体新書の挿図を描いた小田野直武の絵が展示されていました。

秋田県角館生まれで平賀源内に西洋画法を学んだことで知られており、それまでの日本画と異なり、墨の濃淡のみで陰影を表現することで立体感が強調されています。ターヘルアナトミアからの写し絵には、この立体感が必要であったものと思われます。若干24歳で解体新書の挿図を半年で書き上げた小田野直武は平賀源内の失脚に連座する形で、6年後その生涯を閉じています。
東北の金山が平賀源内を秋田に呼び寄せ、小田野直武は数奇な運命に翻弄されていきます。秋田蘭画として発展した画風は一世を風靡しましたが、その期間は短く、18世紀で黄金期を終えています。その細い糸が杉田玄白・前野良沢に紡がれ、解体新書とともに歴史に刻まれているのは、東北人として、そして医師として、胸が熱くなる思いでした。
文責 瓜田純久
———————————————————————————————————–
臨床医は症状を聞いた段階である程度考える疾患を絞り込んでおり、お腹を触っている時には頭の中で解剖学の図譜の絵やCT・エコー所見等をイメージしながら触診をしています(外科医は術中所見をイメージしていると思います)。右下腹部痛の患者さんを診る時にも心の中では「急性虫垂炎っぽい」とか「憩室炎っぽい」等と絶えず考えながら動いています。
日本の病院においては結局は腹部CTを撮って診断しますので、ここまでの思考過程があってもなくても変わりはないのかもしれませんが、私は内科医として、画像・血液検査を行うまでの思考過程を大事にしたいと思っています(スラムダンクの主人公のセリフ「左手は添えるだけ」のように、典型的症例においては「検査は添えるだけ」というレベルまで検査前確率を正確に設定できれば理想的です)。
画像診断や血液検査の進歩により病歴聴取や診察の重要性は以前よりも低下しており、病歴や診察に関する研究は若手医師の「で、なんなの?」という問い(So what? question)に弱いかもしれません。しかし、検査がいかに進歩しても、一つの結果に振り回されない為に、常に幅広く情報を集めて判断を繰り返す姿勢は変わらず重要なのではないかと思います。
そういったわけで、僕らが経験や先行研究の組み合わせからなんとなく実感している「憩室炎っぽさ」「虫垂炎っぽさ」を病態生理の観点から説明して、客観的データとして示したいなぁ・・・
と思って書いた論文が遂に掲載されました!
https://www.wjgnet.com/2307-8960/full/v7/i12/1393.htm
欧米諸国では憩室/憩室炎は左半結腸に多いとされていますが、日本を含むアジア諸国では右半結腸憩室炎の頻度が高く、右下腹部痛を訴え、急性虫垂炎が疑われる患者では常に重要な鑑別診断となります。しかし、急性虫垂炎と右半結腸憩室炎の臨床的な鑑別点に関する研究は乏しく、台湾や韓国から単変量比較での研究は報告されていますが、日本発の論文や多変量解析を用いた研究は調べた限りでは存在しませんでした。
本論文は2012年始~2016年末に東邦大学医療センター大森病院に入院した急性虫垂炎236例と右半結腸憩室炎133例の基礎疾患、臨床症状、診察/検査所見を検討したロジスティック回帰分析です。
悪心/嘔吐(オッズ比(OR):3.89)、食思不振(OR:2.13)と高値で虫垂炎が示唆され、長い経過(OR:0.84)、右下腹部痛(OR:0.28)、憩室炎の既往歴(OR: 0.0034)、CRP>3.0 mg/dL(OR:0.25)と低値で憩室炎がより示唆される結果でした。回帰モデルのROC曲線のAUC 0.86と高く、臨床所見により両疾患を鑑別することが可能と考えられました。
自己満足のための論文かもしれませんが、お時間のある時にご一読いただけると幸いです。
多くの暖かいご支援とご指導のおかげで論文掲載の日を迎えることができました。
この場を借りて御礼申し上げます。

文責:佐々木 陽典
———————————————————————————————————–
6/29(土) 20:00-20:45 にNHK Eテレでチョイス@病気になったとき「むくみ徹底対策」という番組が放映されます。
以前に出演させていただいた「こむら返り」の回がご好評いただけたとのことで、再び私も出演させていただきました。
よければ是非ご笑覧ください。
(編集後の映像は本番まで見られないので、私のシーンが全カットになっている可能性もありますが…笑)
日本のマス・メディアのヘルス・リテラシーは決して高いとは言えず、インフルエンザ、予防接種、終末期医療に関する報道など、事実や医学的/科学的根拠に基づかずにいたずらに視聴者の不安を煽る内容も少なくないように思います。結果として不要な不安に基づく不要な受診・検査・治療が行われ、必要なことが行われていないという現状があると思います。(一概には言えませんが、例えば腫瘍マーカーによるガン検診、風邪に対する抗菌薬投与、インフルエンザ抗原検査+抗インフルエンザ薬投与+治癒証明書が必須として求められるようなインフルエンザ診療が蔓延している一方で科学的に効果が証明されている様々なワクチンの接種率が低いこと等です。)
しかし、その原因として、私達医療者の大半が無責任なマスコミ批判に終始して、ジャーナリストと協働して正しいことをわかりやすく伝える努力をしてこなかったということもあるのではないかと感じています。
前回、今回と番組作成に協力させていただき、ディレクターの優秀さを痛感しました(彼らは理解力が高く、仕事が速いです!)し、正しいことをわかりやすく伝える為には医療者がそれなりの技量・知識を持ち、なおかつそれなりのエネルギーや時間を費やさなければならないということを実感しました。(恥ずかしながら番組作成を通じて改めて自分自身が医師として大変勉強させていただきました。)
前回の「こむら返り」の回に関しては、私自身も「不要な不安を煽っているのではないか」という不安を持っていましたが、結果として受診された患者様の5-10%程度は治療可能な原因が発見され、症状が改善されたという印象を持ってあり、それなりに番組を通じて患者さんに貢献できたのではないかと感じています。
今回も収録後は自分の言い回しに反省する部分もあり、どれほど「正しいことがわかりやすく伝わっている」番組になっているか楽しみと不安が入り混じっていますが、是非ご笑覧いただけると幸いです!
文責:佐々木 陽典
———————————————————————————————————–
6月20日(木)に大森医師会館で開催された「第1回大森医師会地域医療を考える会」に参加してきました。

鈴木央先生が企画され、ワールドカフェ方式というグループディスカッションの方法で、地域医療の問題点、解決法を話し合いました。


様々な問題点がある地域医療ですが、「高齢化と地域完結型医療」「地域医療におけるモヤモヤ」について討論しました。90分の討論会は模造紙に書き込む方式でグループを入れ替えながら進みました。在宅医療を積極的に行っている鈴木先生、医師会副会長の藤井大吾先生を中心に議論は進行し、今後は病診連携だけではなく、病病連携、診診連携が重要になることを確認しました。そのためには、ケアマネージャーとの顔の見える連携も必要であると、みなさんの一致した意見でした。

在宅医療を開始して間もない田代和馬先生、東邦大学総合診療科と深いつながりのある沖縄中部病院で研修され、離島医療に近い在宅医療の実践を目指して大森に開業されたとのことです。ご縁をいただき、ありがとうございます。

研究会の後はお待ちかねの懇親会です。焼き鳥、お寿司を食べながら、お酒も進み、討論会の続きで盛り上がりました。

重鎮の渡辺象先生は美味しいスコッチを紹介してくれました。東京都医師会で活躍される渡辺先生とは、地域医療構想について詳しく教えていただきました。
渡辺先生がいるのは銀座のBARではありません。ワールドカフェ大森医師会館です。
先生方、遅くまでお付き合い頂きまして、ありがとうございます。とても勉強になりました。ぜひ第2回も参加させてください。
文責 瓜田純久
———————————————————————————————————–
8回目を数える大田区総合診療研究会を6月4日(火) 臨床講堂で開催し、大田区3医師会の会長、元会長の先生など、多くの皆様に参加していただきました。
毎回、大田区総合診療研究会のテーマは医師会の学術担当の先生に決めていただき、テーマに合った症例を東邦大学総合診療科の症例から選択してプレゼンテーションをする方式で開催しています。
今回いただいたテーマは「認知症」でした。総合診療科を受診した症例で、認知症と極めて似ている症状で来院したものの、意外な診断に至った2症例を佐々木陽典先生がプレゼンしました。

司会は大森医師会の荻原先生です。いつもの明快な語り口で研究会は進行していきました。

佐々木先生のプレゼンが終わると、討論者として、柏木克仁先生、小松史哉先生、竹内泰三先生が登壇。

それぞれが佐々木先生のプレゼンに批評を加え、持論を述べました。初参加の竹内先生は堂々とした語り口で、大学病院は恵まれた環境での診療であることを述べ、認知症診療の難しさ、地域の先生方にお世話になっている疾患であることを話してくれました。

柏木先生は認知症の鑑別として、梅毒の重要性を熱く語り、次回の大田区総合診療研究会のテーマは「梅毒」に決定しました。

いつも冷静な小松先生は、てんかんを鑑別疾患に挙げ、場内を唸らせていました。
フロアからも多くの先生が質問に立ってくれました。そのなかで、蒲田医師会の熊谷先生は認知症専門医であり、多くの示唆に富む発言をいただきました。認知症診療は医師の多い東京でも、意外に専門診療科が少ないこと、また専門であるはずの診療科でも、認知症診療に力が入らない医療機関も少なくないこと、多くの先生が共有している現状を発言していただき、会場での議論は盛り上がりました。

熊谷先生、本当にありがとうございます。

蒲田医師会の南雲先生、豊富な症例、失敗談を交え、会場の雰囲気を和ませてくれました。

最後は大森医師会長の荒井先生が、区南部での認知症診療の問題点を教えてくださり、閉会となりました。

懇親会にも多くの先生が参加してくださいました。新旧の医師会長が揃う豪華な懇親会でした。認知症を肴に酒が進み、22:00に閉会となりました。
ご参加いただいた先生方、日常診療を終え、お疲れのところ、誠にありがとうございました。顔が見える地域連携は数多くありますが、心が通う地域連携はそれほどありません。今後ともご指導頂きたく、お願い申し上げます。
佐々木先生、柏木先生、小松先生、竹内先生、お疲れ様でした。次回は「梅毒」で頑張りましょう!
文責 瓜田純久
———————————————————————————————————–
6月3日(月)午後Ⅳ時限の講義では埼玉県で開業されている吉田直哉先生、Ⅴ時限では定本貴明先生に地域医療についての講義を行っていただきました。


定本先生は旧第2内科の出身で、多くの関連病院の医長、内科部長を歴任され、イギリス留学などを経て神奈川県中郡二宮町に開業されました。第2内科では肝臓腹腔鏡のスペシャリストとして活躍され、当時第1内科に在籍していた瓜田にも、診療科を越えて腹腔鏡の指導をしてくださいました。現在の縦割りの診療科構成では考えられないような協力関係で、大変お世話になりました。

ハードな地域医療の現状と、地域ニーズに応える柔軟さと社会的責任をお話してくださいました。

埼玉県入間郡三芳町で開業している吉田直哉先生は、認知症やフレイルなど、高齢者が直面する問題について、地域における医療機関の役割と対応について講義をしていただきました。消化器内科とくに肝臓内科医として活躍された吉田先生ですが、地区医師会長も務められ、地域に根ざした医療の重要性を楽しく伝えてくださいました。
臨床医学7は、M3までの系統講義で学んだ知識を背景として、生体各臓器が共有する免疫系、内分泌系、神経系、生化学的システムなどの理解を深めて、臨床推論力を高め、日常診療で遭遇する症候すべての対応を身につけ、特殊な治療以外はすべて完結できる能力を目指します。アルゴリズムやガイドラインでは対応できない診断困難例に対しても、決して投げ出さず、臨床推論を粘り強く展開し、問題解決するスキルと責任感のある医師の養成を目指します。同時に、地域医療のニーズに柔軟に対応するスキル、そして心の余裕が求められます。地域で活躍する先輩の講義はとても心温まるものでした。学生の記憶に残る講義であり、医師を志したマインドを思い出させる内容でした。
定本先生、吉田先生、診療を休んで来ていただき、誠にありがとうございました。来年も是非お願いします。
文責 瓜田純久
———————————————————————————————————–
2019年5月22日(水)~25日(土)、名古屋国際会議場にて開催された第92回日本産業衛生学会のランチョンセミナーで講演させていただきました。

機能性食品として注目されるヨーグルトですが、上部消化管に対する効果を持ったものは極めて少ないのが現状です。その中で、BF-1はヘリコバクターにも抗菌作用があり、同時に消化管運動を改善し、腹部症状を改善すること、そしてストレスを減じる作用があることを報告しました。東京に戻ってから14年、ヤクルトさんとの共同研究です。満員の会場はとても熱気に溢れていました。

講演後は、座長を担当していただいた順天堂大学の谷川先生とひつまぶしの店へ!名古屋めしを堪能しました。
その後は一路、松本へ。

松本クラフトフェアに参加し、陶器を購入。その後は、一度行きたかった近代教育発祥の開智学校を訪問しました。

1876年に松本市街地を流れる女鳥羽川沿いに建てられ、小学校校舎として 90 年近く使用された後、1963年に新校舎建築に伴い役目を終えました。文明開化の進展した当時、外国からの西洋建築受容の様子を示す擬洋風建築を代表するとともに、近代教育の黎明を象徴する学校建築として評価されています。一市一校制度の時期には、8000名を超える児童が学んでいたと記載されています。


開智学校を卒業し、文部次官も務めた澤柳政太郎氏が卒業生として紹介されていました。成城学園の学祖である澤柳は、大正2年に
「今日の教育は大人が大人の考えで児童に要求する嫌いが極めて多すぎると存じます。」
と述べてます。また、
「今日の学生は元気なるべき場所に元気ならずして、従順なるべき場所に帰ってわがままを主張する傾きがある。」
「真面目なる事に対しては知らざるがごとくし、正当の要求も道理のある議論もなさず、かえってつまらぬことに関しては、あるいはやかましくいい、あるいは臆面もなく要求する。」
「現代の学生は相集まっては衆力を頼んで多少の元気を示すけれども、単独には実に育児の内容に見える。」
と令和の時代と重なって見えてしまいます。
明日からの医学教育に、新たな気持ちで取り組む元気を開智学校からいただきました。学都 松本!とても有意義な時間となりました。ありがとうございます。
文責 瓜田純久
———————————————————————————————————–
5月30日に、当科で助教として医局の中心的役割を果たし、獨協医科大学埼玉医療センター総合診療科へ講師として栄転された石井孝政先生の学位授与式が東邦大学医学部で執り行われました。
学位論文は日本感染症学会の公式英文雑誌であるJournal of Infection and Chemotherapyに掲載された伝染性単核球症に関する論文“Clinical differentiation of infectious mononucleosis that is caused by Epstein-Barr virus or cytomegalovirus: A single-center case-control study in Japan”です。
https://www.jiac-j.com/article/S1341-321X(19)30031-5/pdf
石井先生は平成16年に金沢医科大学を卒業後、東邦大学医学部付属大森病院で卒後初期・後期臨床研修を修め、平成20年には当科レジデントを経て東海大学医学部付属病院循環器内科等で5年半に渡って循環器領域で研鑽を積み、平成26年に当科に助教として戻って来てくださいました。
戻られてからは、東海大学で得た知識・経験を踏まえ、「循環器疾患の診療ができる急性期に強い総合医」として、時には、「鬼軍曹」のごとく厳しく熱く若手の指導にあたり、臨床・教育・研究をリードしてくれました。
これらの功績や臨床・教育に対する姿勢が高く評価され、5月から獨協医科大学埼玉医療センター総合診療科へ講師として栄転され、現在は新天地でご活躍です。
本学としては令和第1号の学位とのことで、めでたい限りです!
石井先生、おめでとうございました!


緊張の面持ちで高松学長とツーショット!
文責:佐々木 陽典
———————————————————————————————————–
大森/蒲田/田園調布医師会と当科との恒例の交流の場となっている大田区総合診療研究会が下記の日程・内容で開催されます。
今回は「認知症診断のPitfall」と題して、印象的だった症例2症例を発表させていただきたいと思います。
この会では、毎年、地元医師会の経験豊富な先生方から鋭いご指摘をいただき、活発な議論が行われ、私たち医局員も大変勉強になっています。情報交換会で開業医の先生方ならではのご苦労などを直接お話いただけることも貴重な機会だと思います。
ご参加希望の方は是非お問い合わせください。

文責:佐々木
———————————————————————————————————–
JUGLERとは、佐賀大学多胡先生の呼びかけのもと、昨今の大学病院総合診療科の現状に危機感を抱き、解決策を見出すべく昨年10月から活動を継続しているJapan University General Medicine Leadership and Education Roundtable(獨協大学志水先生発案)の略称です。
現在は、佐賀大学多胡先生、獨協医科大学志水先生、千葉大学鋪野先生、順天堂大学高橋先生、島根大学和足先生、私の6名がコア・メンバーですが、どんどん仲間の輪が広がっています。
既存の学会や専門医制度の枠にとらわれず、若手のリーダーたちで自由に議論して自分たちの「理想の病院総合医」の姿を明確にして大学病院総合診療科の必要性を発信してゆくことを使命としており、5月19日に京都で開催された日本プライマリ・ケア連合学会では、若手医師にもイメージしやすい「理想の病院総合医」を共有すべく「病院総合医のコア・モジュール」について提言・議論を行いました。
予想を遥かに上回る数の先生方にご参加頂き、インタラクティブな進行方法で実りあるディスカッションを行うことができました。また、多くの先生方から励ましのコメントをいただき、「大学病院に総合診療部門は必須である」との確信を強めました。
引き続き、若手の先生方にあるべき病院総合診療医像を明示し、全国の大学で環境や背景の違いを共有し、その垣根を越え、病院総合医ひいてはこの領域の未来のリーダーを育成すべく、活動を続けて参りたいと思います。
ご参加、ご協力、ご指導いただいた各方面の先生方、誠にありがとうございました。

私だけお腹がすごく出ていて笑ってしまいましたが、(私以外は)カッコよくて素敵な写真です!

Mentimeterを利用した会場からのご意見・ご質問に見入っているメンバー達

セッション後の記念撮影です。
文責:佐々木 陽典
———————————————————————————————————–
先日告知させていただいたとおり、5月10日(金)19:30から川崎幸病院で開催されたTokyo GIM conference 79で、外来で経験した印象的な症例を通じて、患者さんの受領行動・解釈モデル、患者さん自身が言語化できていない隠された主訴、医師の抱く違和感の重要性、腹囲増大の鑑別診断等についてお話させていただきました!
発表を聞いていたレジデントから「昨日、全く同じような症例を経験したので、とても参考になった!」と言ってもらえ、医者/発表者冥利に尽きるなと感激しました。
夜遅くからの開催にもかかわらず教授が来てくださり、写真まで撮ってくださいました!
もう一例の発表症例と私の症例が同じ疾患/病態を扱ったもので、偶然に驚きながらもとても勉強させていただきました。
ご開催いただいた原田先生はじめ世話人の先生方、根本先生、紀平さんはじめ川崎幸病院の皆様、そしてご参加いただいた皆様にお礼を申し上げます。ありがとうございました。

文責:佐々木
———————————————————————————————————–
総合診療・急病センター感染症科レジデントの柏木克仁先生の執筆した初の英文症例報告が日本病院総合診療医学会雑誌15巻2号に掲載されました!
柏木先生は東邦大学医学部を卒業後、同医療センター大森病院で卒後臨床研修を修了しました。各診療科の医師が特定分野の診療のみを行い、患者さんが長時間待たされ、院内を巡礼している都心部の大学病院の現状に疑問を持ち、感染症を中心として幅広い疾患の診療ができる「昔ながらのお医者さん」を目指して2017年に総合診療・急病センター感染症科に入局してくれました。
豊富な知識、冷静な判断力を持つ一方、患者さんにかける情熱に溢れており、文字通り” Cool head and hot heart”を持った臨床医であり、その仕事ぶりは周囲から高く評価されています。
数時間で死に至ってしまう激烈な経過を辿るClostridium perfringens(ウェルシュ菌)による肝膿瘍について、先行文献をつぶさに調べ上げ、国際医療センターでの武者修行という過酷な環境の中でじっくりと書き上げてくれた貴重な症例報告です。
柏木先生、本当にお疲れ様でした!

文責:佐々木
————————————————————————————
前回Tokyo GIM conference 78 Clinical Picture Festivalに引き続いて5月10日(金)19:30から川崎幸病院で開催予定のTokyo GIM conference 79で外来で印象に残った症例を提示させていただきます。川崎駅徒歩圏内ですのでお時間のある方はぜひご参加ください。

文責:佐々木
——————————————————————————————-
東京駅丸の内改札口に「総合医」の大きなビジョン!
2年前に東北医科薬科大学の入学式で、学長の高柳元明先生が「君たち100人は、全員総合診療医になってもらいます!」と訓示を述べているのを聞いて、感激のあまり身震いしたことを、昨日のことのように覚えています。
先日、東京駅丸の内中央改札口を出たときに飛び込んできたのが、「総合医」の文字でした。

自治医科大学のPVでした。思わず、パチリ!

体系を基礎から確実に積み上げる方法は、数学と共通する医学教育の古典的な考え方でした。しかし、多様化する学問体系を限られた時間で学修することは極めて困難です。一分野で大きく階段を登り体系を見渡すと、それまで違う領域に見えていた分野が、意外なほどの同じシステムで生命活動を営んでいることに気づきます。自分の専門領域のスキルが、他の領域でも十分に臨床推論を展開できることを発見できる場合があります。しかしながら、階段を上っても体系を見渡すマインドを持てない指導医は、極めて多い各分野の共通点を見逃してしまい、アルゴリズム、ガイドラインに頼る診療となってしまいます。
本学は私学であり、多くの卒業生が地域医療に戻っていきます。多くの診療科を有する大学病院ですが、見渡す謙虚さを持って診療、研究、教育を展開して生きたいと考えています。
「大学だから・・・」というフレーズは、診療の場で患者さんに投げかけるものではありません。自分の診療スキル、思考回路、学術的探究心にこそ「大学だから・・」と問いかけて研鑽していかなくてはなりません。
自治医科大学、東北医科薬科大学に続く、総合診療マインドの溢れる大学にしたいと、心から願っています。
文責 瓜田純久
———————————————————————————————————–
数学のノーベル賞といわれるフィールズ賞受賞者である広中平祐先生、米寿のお祝いに参加する機会を頂きました.

昨年12月、数理の翼の研修会参加OBの交流会である湧源クラブで講演させていただいたご縁で、数学のノーベル賞といわれるフィールズ賞の受賞者で数理の翼の生みの親、広中平祐先生の米寿のお祝いに参加する機会を頂きました。

医学とまた違った雰囲気が心地よく感じられました。会場の学士会館には、「日本野球発祥の地」のモニュメントがあり、これまた感激でした。

2019年度は医学部1−3年生の選択講義「臨床医学に役立つ複雑系科学入門」を総合診療科で15コマ開催します。
何となく背中を押されたような祝賀会でした。ありがとうございました。
文責 瓜田純久
———————————————————————————————————-
平成31年3月17日(日)8時00分~18時00分 東邦大学医学部 2号館M2階 シミュレーションラボ で、第9回東邦大学JMECCが開催されました。シミュレーションラボはリニューアルされ、とてもきれいになり、設備・機器も充実してきました。

急用で参加できなくなった受講生が2名あり、突然のグループ替えなど、ディレクターの西川先生(藤沢市民病院)に大きなご苦労をかけてしまいました。インストラクターゼロからの出発でしたが、西川先生のご指導で次回は第10回を迎えることができます。ありがとうございます。
恒例の打ち上げは梅屋敷商店街の寿司「かわむら」です。名古屋から駆けつけてくれた田中創始先生、ありがとうございます。いつも論理的で熱い指導をしてくださる水堂先生(藤沢市民病院)も研修医の磯田先生を誘って来てくれました。瓜田は公務不参加でしたが、打ち上げにはしっかり参加させていただきました。また、この日は西川先生の著書をいただきました。是非みなさんも手にしてみてください。


JMECCは総合診療科の石井孝政先生が中心となり、卒後臨床研修センターの並木温教授の理解のもとで、年2回の開催をしてきました。5月から石井先生がこれまでの功績を認められ、他大学へ転出します。石井先生、本当にお疲れ様でした。ありがとうございます。また、JMECCには来て下さい。呑み会も!
文責 瓜田純久
———————————————————————————————————–


毎年春、桜の季節に催している近隣のクリニックの先生、ならびに地域の方々との親睦ゴルフに行ってまいりました。
例年、開花の時期と重なることは少ない中、今回のゴルフではまさに満開、そして気候も素晴らしい中でプレーをすることができました。
プレー内容はさておき(汗)、蒲田地域で大活躍されている方々の貴重なお話も聞くことができました。
新入局員の先生方、そして出向から戻られた先生方も加わり、活気ある新たなスタートを切ることができました。
本年度もさまざまな活動を行ってまいります。随時HPも更新してまいりますので見ていただけますと幸いです。
また、当医局にご興味を持っていただいた先生方、どうかお気軽にご連絡いただければ幸いです。
———————————————————————————————————–
文責:小松、前田
3月1日(金)青森市で開催されたに日本糖尿病学会の教育講演会「第53回糖尿病学の進歩」で講演する機会をいただきました。依頼のテーマは「救急搬送された糖尿病患者の栄養管理」であり、とてもまとめにくいものでした。

大学に戻った2005年7月から、絶食治療を要した予定外入院症例1531例を検討しました。栄養障害の割合は下図のように糖尿病の重症度にかかわらず、約40%存在し、これまでの報告と同様の数値でした。

また、3日以上の絶食が必要な症例の背景は肺炎が最多でしたが、多彩な疾患がみられました。

総合診療科が対応する栄養障害は、急性疾患に伴って増悪する基礎疾患であり、とくに糖尿病は重要です。血糖コントロールを重視するあまり、低栄養に陥ることは避けなければなりません。急性疾患の治療をしながら、基礎疾患の管理にも目配りすることは、総合診療科の得意とするところです。
講演会場は立ち見がでるほどの盛況でした。私の糖尿病の師匠は弘前大学の中村光男先生です。「血糖管理は当たり前、栄養管理ができてこその専門医」といつも指導を受けております。
総合診療科には糖尿病をサブスペシャリティーとする医師が増えてきました。Commonで合併症が多い糖尿病診療は、さらに強化していきたいと思います。竹本先生も河越先生に続いて、糖尿病研究で論文が受理され、学位申請の予定です。

講演を終えて青森空港に着いたところ、JTBから送られてきたe-チケットが反応しません。よく見ると、なんと往復ともに「羽田発 青森行」となっていました。夕方の会議に間に合いません(涙)。参りました。
文責 瓜田純久
———————————————————————————————————–
助教の城戸倫先生が学位論文「Metabolic tumor volume and total lesion glycolysis in PET/CT are related with the clinicopathological T stage of colorectal cancer and predict its prognosis」をToho Journal of Medicineに発表しました。

城戸先生は慈恵医大を卒業し、がん診療を志していく段階で「がん診療には総合診療のスキルが必要だ!」と考え、東邦大学 総合診療科に入局してくれました。そして大森病院放射線核医学で研鑽を積み、がん診療に対するスキルを磨いてきました。
今回の論文は放射線核医学の水村直准教授の指導を受けて完成させたものです。今回の論文では、大腸がんのFDG-PETでの総腫瘍代謝量(total lesion glycolysis, TLG)がT 因子と有意な関連を示し、術後再発の予後因子であることを明らかにしました。また、TLG が大腸がんの治療選択,術式選択などに有効なバイオマーカーになる可能性を示唆しています。水村先生が一から指導いただき、学位論文だけではなく、核医学専門医も取得させていただきました。水村先生、本当にありがとうございます。
水村先生、大変お世話になりました。改めて御礼申し上げます。
文責 瓜田純久
伝染性単核球症は極めてcommonな疾患ですが、その原因ウイルスが確定するには時間がかかります。石井先生、佐々木先生は多数例の検討から、EBVとCMV感染が通常の診察と血液生化学検査で鑑別できることを明らかにしました。

石井先生は3年目に循環器内科からのローテートで総合診療科を1年間研鑽してくれましたが、「もう少し勉強したい」と話して、4年目も総合診療科での研修を続けてくれました。5年目からは、循環器疾患だけを一生診ていくのは、自分が考えていた医療とギャップがあると話し、総合診療科に移籍し、現在に至っています。3年目の石井先生のチームに初期研修医として配属されたのが、佐々木先生でした。石井先生の明治方式の厳しい指導で、佐々木先生は大きく成長し、今回、二人で論文をまとめてくれました。


総合診療における研究分野は無限に広がります。60兆の細胞が共同作業を行う生体において、臓器別、疾患別に分類する方法は、紀元前から行われている手法です。還元論的研究法の長所・短所を理解して我々も用いていますが、同時に分類によって見えなくなるものがあることも知り、敢えて分けずに検討する手法も積極的に取り入れています。
多くの情報を集めて、その背後にある法則を見つけ出す極めてオーソドックスな手法は、臨床研究において重要です。同時にその背景について、藁半紙と鉛筆で推論を展開できる基礎医学、自然科学の知識も総合診療にとって極めて重要であり、ぜひとも身につけたいスキルです。
外来、入院、教育に忙殺される中、よく論文をまとめてくれました。極めてcommonな疾患で論文を作成するスキルこそ、真の臨床力の指標となるように思っています。あっぱれです!
文責 瓜田純久
————————————————————————————————————————————————————–
2月1日・2日に佐賀大学主催で佐賀・ホテルグランデはがくれで開催された第15回日本消化管学会総会学術集会に参加して参りました。


今回の内容としては貴島先生および瓜田教授のご指導の下、私の大学院での研究テーマであるフラクタル解析を用いて消化管内視鏡画像の解析を行った結果を発表させていただきました。フラクタル解析により正常内視鏡像と疾患画像でフラクタル次元を算出しました。疾患により組織構造の変化が起こるため、それによるフラクタル次元の変化が起こると考えられ、実際に解析を行ったところ次元の変化を認める結果となりました。これによりフラクタル次元は疾患による組織構造変化を反映している可能性が示唆され多と考えております。
学会のプログラムにおいて‘‘「消化管画像診断」医工連携による次世代画像診断の開発‘‘というコアシンポジウムのセッションで採択をいただき、他大学の先生方も自走式カプセル内視鏡や3D内視鏡、近赤外線ハイパースペクトルイメージングなど普段は目にすることのできない次世代画像診断方法を拝見することができ大変興味深いセッションとなっておりました。
また私が研究しているフラクタル解析に関連する、人工知能を用いたが画像診断の開発についても多くの発表がなされており、やはりDeep learnigの進歩は目覚ましく、人間の目を超えたと言われている中、様々な検討やリアルタイムでの解析などを見ることができ大変勉強になりました。今後の実臨床への適応も間近となっているとのことでフロアからも期待の声が上がっていました。
私が研究しているフラクタル解析は、通常科学でありながら、複雑系の自己組織化のカオスをひも解く方法でありこれまでとは画像解析方法の方法論が異なりますが、やはり還元論では説明のつかない事象が生命を含め自然科学では多いため今後の医療を含め科学の発展につながる研究と考えています。今後も研究を進めていき、また新たな発表ができるよう努めていきたいと思います。
学会の際には2018年に退任された中嶋先生にお越しいただきました。また、学会に伴い外来など小生不在の際に貴島先生、前田先生にお力を貸していただき、この場を借りて御礼申し上げます。
文責:小松史哉
————————————————————————————————————————————————————–
1月31日(木)第2回General Medicine 2019 漢方ベースキャンプ in 東京をお茶の水で開催しました。この企画は、順天堂大学、日本医科大学、東京医科歯科大学、東邦大学の総合診療科が中心となり、総合診療において大きな武器となる漢方治療についてのレベルアップを目的とした企画です。

Work upしても「異常ないから、心療内科へ行ってください」というフレーズは専門診療科の臨床現場でしばしば聴かれる会話です。しかし、本当にメンタル系診療科での治療が必要な方とは限りません。紹介されたメンタルの先生も対応に苦慮する場合が少なくありません。そんなとき、漢方診療が大きな福音となる場合があり、総合診療医にとって、是非とも身につけたいスキルです。
九州大学総合診療科の貝沼先生の講演は、明日の診療に役立つ実践的な内容で、漢方知識がほとんどゼロの我々にも理解しやすい内容でした。医学部学生、研修医の先生も多く参加してくれて、活発な質疑が行われました。

1月31日はローテート最終週でもあり、参加してくれた4名の研修医とお茶の水の沖縄料理で打ち上げをしました。12月―1月とインフルエンザが蔓延する外来で、4名とも元気に働いてくれました。救急車受け入れも決して断ることがない総合診療科では、病棟も常時50名以上の入院があり、重症患者も多くなります。3チームに分かれて研修医たちは必死に診療し、多くの患者さんから信頼を得て、指導医たちは舌を巻いていました。本当にお疲れさまでした。この2ヶ月の研修は、初期研修の中でももっとも濃密なものだと思います。鈴木先生、三浦先生、清水先生、井上先生、あっぱれ!

文責 瓜田純久
———————————————————————————————————————————–
1月19日(土)東大和市医師会が開催する第17回市民講座で脂質代謝異常の講演をさせていただきました。

東大和市医師会は本学の先輩である小児科の有村先生が医師会長として活躍されているご縁で、小医に講演の機会をいただきました。インフルエンザが猛威を振るう1月中旬に、300名以上の方々にご来場いただきました。
脂質代謝異常における心血管イベントの関連だけではなく、尿路結石、下痢、慢性疼痛との関連などもお話させていただきました。また、善玉脂肪酸ω3脂肪酸の効能と、検査を受けるときの注意、医療現場の矛盾など、プロの患者さんが飽きない内容としました。

補助椅子が必要になる満員御礼でした。皆様、ありがとうございます。
講演後は、「西の原爆ドーム、東の変電所」といわれる戦争遺跡の変電所を訪れました。周囲が19kmで人口8万人以上の東大和市は、コンパクトな街並みです。その中央に戦争遺跡が大事に保存されていました。


砲撃の弾痕が生々しい変電所です。これがたった73年前の出来事とは思えません。会場でお会いした市長さんは、東大和市のシンボルとして永久保存すると話していました。歴史を大事にする自治体は、小さくても輝き続けるような気がします。
有村先生、そして司会を担当して下さった川上先生、大変お世話になり、ありがとうございました。
文責 瓜田純久
——————————————————————————————————————————————————————————————-
暮れも押し迫った12月29日に糖尿病専門医、総合内科専門医である竹本育聖先生の論文がActa Diabetologicaにonline publishされました(https://doi.org/10.1007/s00592-018-1276-y)。

竹本先生は埼玉医科大学を卒業し、東邦大学医療センター大森病院で初期研修を行い、その後総合診療科に入局してくれました。合併症の多い糖尿病患者に対して、血糖コントロールから合併症治療まで行うことができる医師を目標に掲げていました。3年間の後期研修を総合診療科で行い、内科学会認定医を取得後に蒲田総合病院 糖尿病内科で3年間の研鑽を積み、糖尿病専門医を取得しました。その後、東邦大学医療センター大森病院 総合診療科の助教として、臨床・教育・研究に意欲的に取り組んでいます。その間、臨床データをコツコツと積み重ね、今回の論文発表に繋がりました。昨年のインパクトファクター3.12と一流誌に掲載された論文は、竹本先生が総合診療科でゼロから築き上げた糖尿病診療の結果です。パイオニアとして、頑張ってくれました。

グルコースはエネルギーの最小単位と考えがちですが、構成炭素の運命は異なっており、それを利用して糖尿病の病態を掘り下げた論文です。なんと、reviseなしてacceptされました。3種の呼気試験を組み合わせた診断は、東邦大学のオリジナルであり、その点が評価されたようです。
竹本先生の外来は糖尿病だけでなく、多彩な疾患をもつ患者さんで溢れています。これからも、患者さんからいただいた貴重なデータを大事に大事に解釈し、多くの論文を書いて、臨床に還元していきましょう。
竹本先生、本当にお疲れ様です。また、頑張りましょう!
文責 瓜田純久
————————————————————————————————————————————————————————————-