東邦大学医療センター大森病院

NEWS

2022年

報告がすっかり遅くなってしまいましたが、当院の感染性腸炎入院症例のデータをもとに細菌性腸炎とウイルス性腸炎の臨床的特徴について検討した論文が9月に日本病院総合診療医学会の英語雑誌Journal of Hospital General Medicineに掲載されました。

本研究では、細菌性腸炎44例とウイルス性腸炎26例の入院症例の比較により、細菌性腸炎はウイルス性腸炎よりも

  • 悪心・嘔吐よりも下痢・腹痛・発熱が目立つ
  • 経過が長い
  • CRP値が高い

という、予想通りの特徴が示された一方で

  • 高齢での入院症例では細菌性腸炎よりもウイルス性腸炎が多い
  • 細菌性腸炎の特徴とされている血便がウイルス性腸炎でも同様に認められる
  • カンピロバクター腸炎では右下腹部圧痛が多い
  • 左下腹部痛をきたす感染性腸炎は少ない
  • エルシニア腸炎(いわゆる偽虫垂炎)で右下腹部圧痛をきたす症例はなかった

といった予想外の新しい結果も得られました。

 細菌性腸炎を示唆するはずの血便が若年のウイルス性腸炎でも認められて入院となる原因として、2018年3月まで当科教授としてご指導いただいていた中嶋均客員教授が以前から提唱されていた「感染性腸炎惹起性虚血性腸炎」に関する先行研究を紹介し、ウイルス性腸炎により腸管が浮腫を起こした結果、腹腔内圧等の上昇によって腸管血流が低下して虚血性腸炎が発症したが、当初の原因となったウイルス性腸炎と診断され、入院となった可能性があることを提唱しました。

対象症例数が少なさやpost hoc研究であることもあって、比較的購読者の限られた雑誌に掲載される結果となりましたが、中嶋先生がご自身の臨床経験を通じて提唱に至った「感染性腸炎惹起性虚血性腸炎」の存在を裏付け、他の施設の医師にも知っていただける機会を得られたことをとても嬉しく思っております。

 中嶋先生をはじめ共著くださった先生方のご指導に感謝申し上げます。

文責:佐々木 陽典

———————————————————————————————————————————–

昨年度に本学を卒業して東京医科大学八王子医療センターで初期研修医1年目の甲藤大智先生が執筆された症例報告「メトトレキサートで治療中に原発性子宮リンパ腫と診断された高齢関節リウマチの1例 」が先月発行された日本病院総合診療医学会雑誌 2022:18(6) に掲載されました。

 甲藤先生は学生時代から総合診療に興味を持ち、英語での症例報告にも挑戦する意欲旺盛な熱意の持ち主です。熱意と粘り強さと実直さが印象的でしたが、母校を離れ、新しい環境で多忙臨床研究の日々のなかで研修医1年目の11月に症例報告を見事に掲載するとは思っておらず、その成長ぶりに驚きました。症例報告の内容も素晴らしく、症例の貴重さや報告の意義が明快に示された優れた考察がなされており、とても勉強になる症例報告でした。

 八王子医療センターで大変素晴らしい指導を受けて充実した研修を受けていることがわかり、大変嬉しく思います。またご指導くださっている先生方にも感謝の気持ちでいっぱいです。

 甲藤先生、がんばりましたね!おめでとう!!

文責:佐々木 陽典

———————————————————————————————————————————–

 新型コロナ感染症の第8波の影響でWEB開催となった第13回日本安定同位体・生体ガス医学応用学会大会のシンポジウムにおいて、繁田知之先生、中村雄介先生が発表をしました。

当初は徳島で開催予定であり、繁田先生、中村先生は徳島出張を楽しみにしておりました。残念ながらWEB開催となったので、テンションが下降気味かと心配しましたが、素晴らしい発表をしてくれました。

最初に中村先生が13C-プロピオン酸呼気試験の有用性と臨床応用の限界について発表してくれました。血中ビタミンB12濃度が正常でも、補酵素として十分な活性を持っていない症例の可能性について言及しました。中村先生、大変お疲れ様でした。

続いて繁田先生が13C-プロピオン酸呼気試験の動物実験の結果について報告しました。アルコール摂取とビタミンB12代謝については多くの報告がありますが、血中濃度がビタミンB12活性を正確に反映しているとは言えないようです。

また、繁田先生は一般演題でもレベスティブによってQOLが大きく改善した症例を報告してくれました。

短腸症候群は人工肛門からの排液コントロールに苦慮します。7−8Lの排液のため、頻回に点滴を要することになり、患者さんの生活は大きく制限されてしまいます。今回、GLP-2アナログ製剤を実施し、点滴が不要になった症例を報告してくれました。

また繁田先生は驚いたことに、DPP-IV阻害薬を併用すると、さらに効果が得られるのではないかと考察し、参加者を驚かせていました。確かに注射回数を減らすことができれば、さらに生活の質が向上します。

繁田先生、中村先生、発表ありがとうございました。来年もどうぞよろしくお願いします。

                   文責 瓜田純久

———————————————————————————————————————————–

9月14日(水)3時限目に東京医科大学八王子医療センターで初期研修を行っている甲藤大智先生が医学教養6の講義に来てくれました。

甲藤大智先生はこの4月に本学を卒業され、東京医科大学八王子医療センターで初期研修を開始されました。東邦大学で導入された大学院講義聴講制度に参加した初めての学生でした。東邦大学での学生生活を振り返って、楽しく学ぶヒントを教えてくれました。

バスケット部の写真と同期入職の研修医仲間を紹介してくれました。現在は研修医寮で充実した毎日を過ごしています。

8月に開催された第23回日本病院総合診療医学会で報告した子宮原発悪性リンパ腫の症例についてお話しいただきました。初期研修5ヶ月目で発表に至った経緯と苦労話を披露してくれました。

ご指導いただいた青木教授への感謝も忘れていません。

コロナ感染症に翻弄された学生時代でした。今も苦労は続いておりますが、PPEを着ての心臓マッサージの大変さを力説していました。

講義のお礼はカツ丼です。あっと言う間に平らげてしまいました。講義後は学生さんから多くの質問が出され、甲藤先生は丁寧にそして楽しそうに答えてくれました。寝ている学生は一人もいませんでしたね。

 甲藤先生、忙しい中に講義に来ていただき、誠にありがとうございます。来年もぜひ講義をお願いします。

            文責 瓜田純久

———————————————————————————————————————————–

9月14日(水)に開催された大森病院CPCで繁田知之先生が「消化管穿孔が疑われたMSSA敗血症の一例」を発表しました。

今年の正月に来院され、加速度的に病状が悪化した症例でした。意識障害で来院され、低血糖、循環血液量減少性ショックを呈しておりました。乳酸アシドーシスがあり、CTでは腹水、腹腔内free airが見られたことから、消化管穿孔による敗血症が疑われました。ICUで大量補益、抗菌薬投与が開始されましたが、反応せず、来院から17時間後に亡くなられました。

佐々木先生の進行で多くの疑問点が示され、学生さんとともにディスカッションが行われました。前立腺癌、糖尿病の既往があるものの、どうして急に意識障害に至ったのか、喧々諤々の議論がありました。

 その後、病理解剖の結果が報告されました。

病理結果では消化管穿孔は認められず、尿路閉塞を基盤とする化膿性腎盂腎炎、壊死性膀胱炎、精巣上体炎の所見が示され、膿瘍内からはグラム陽性球菌が検出されました。

病理の渋谷教授からも解説があり、意外な結果に会場は静まり返っていました。同時に病理解剖の激減する現状についても説明があり、さらに会場は凍り付いてしまいました。

腹腔内遊離ガス像がどうして生じたのか、尿道バルーンを留置していたにもかかわらず、十分なドレナージとならなかった理由など、病理解剖を行っても疑問点が残る内容でした。

 繁田先生はDNARの方針となった高齢者への治療が、不十分ではないかと反省点を述べておりました。臨床現場では担癌患者さんや超高齢者など、治療を過度に緩めてしまい、本来治るはずの病状が放置されているのではないかと危惧する場面もないわけではありません。学びの多いCPCとなりました。会場には東京医科大学八王子医療センターから甲藤大智先生、福島県立医科大学から吉田一隆先生が参加され、会場を盛り上げてくれました。

 発表の繁田先生、司会の佐々木先生、お疲れ様でした。研修医の心に残るCPCであったと思います。渋谷教授、丁寧な解説ありがとうございました。

                   文責 瓜田純久

———————————————————————————————————————————–

9月7日(水)3時限目、医学教養6「複雑系科学入門」第14回目の講義で、初期研修医 林優作先生が素晴らしいお話をしてくれました。

昨年は遠隔講義でしたが、今年は対面で実施することができました。最初は複雑系科学とは何か、還元主義と対比してわかりやすく説明してくれました。

そして「卒業論文」について、その面白さと大変さを話してくれました。日本内科学会総会で優秀賞を受賞した研究テーマである「セルオートマトンによる感染症拡大モデル」についてわかりやすく話してくれました。新型コロナ感染拡大が持続するなかで、学生たちは熱心に聞いてくれました。

最後は学生が最も心配な試験対策です。CBT, 総合試験の対策、勉強習慣の確立など実践的な内容に学生は引き込まれて行きました。特にOSCEについてはフィードバックがないことが問題であると強調していました。

最後は質問コーナーです。「部活と取り組み方」「研修病院の選び方」「家庭教師バイトについて」「医師になって女性にモテるようになったか?」「英語の勉強は?」「留学について」など、多くの質問が飛び出し、林先生もタジタジでした。それでも、大森病院は朝夕食が無料、給料が良い、市中病院と同等以上に患者さんを診ることができる!など、大森病院をプッシュしてくれました。ありがとうございます!

 当直明けにも関わらず、熱い講義に学生たちは最後に拍手で応えてくれました。林先生、素晴らしい講義をありがとうございました。来年も是非お願いします。

                         文責 瓜田純久

———————————————————————————————————————————–

9月3日(土)午後に開催された第18回朝霞地区医学会総会でCOVID-19において講演させていただきました。

会長を務めて青柳先生は旧第1内科の同僚で、一緒に肝細胞癌の経動脈的カテーテル治療や食道静脈瘤治療を行っていた先生です。現在は埼玉朝霞地区の地域医療において、中心的な活動を行っております。今回、Zoomでしたが、久々にお話することができました。青柳先生の全く年齢を感じさせない風貌に驚きました。

第1波、第2波の山が見えないほど感染が拡大している第7波であり、まだ収束が見えない状況です。2019年12月26日に早くも面会禁止を実施した大学があったこと、37.5℃以上が4日間持続しなければ検査できなかった第1波の苦労はどの施設も同様でした。

まもなく発生から3年を迎える新型コロナウイルス感染症ですが、職員のモチベーションの維持、職員の道徳的負傷 moral injuryの増大がもっとも懸念されます。楽しさの自給力を高めることが目標であることを説明し、終了となりました。

途中で医学会のWiFiがダウンしたため20分間の中断があり、スタッフの皆様は対応にご苦労されました。会長の青柳先生、講演の機会をいただきまして、誠にありがとうございました。一杯ご一緒できる日が来ることを、切に願っております。学会スタッフの皆様、大変お世話になりました。ありがとうございました。

                     文責 瓜田純久

———————————————————————————————————————————–

東邦大学医療センター大森病院総合診療・急病センターはセンター内に内科だけでなく外科、救命センター、感染症科が含まれる点が大きな特色であり、セールスポイントです。

総合診療外科では、急性虫垂炎、腸管穿孔、腸閉塞、腹膜炎等の急性腹症の緊急手術のほか、そけいヘルニアの手術にも注力してきました。そけいヘルニアはありふれた疾患であり、いわゆる「脱腸」と呼ばれる病態です。ありふれた病気ですが、腸が鼠蹊(そけい)部に飛び出したまま嵌まり込んでしまう(嵌頓)と大変危険な状態となり、緊急手術が必要になることもある病気です。自然に治ることはないのですが、「はまり込まなければあまり困らない」「恥ずかしい」等の理由で放置されていることも少なくありません。

そこで、総合診療外科島田長人先生と、この病気の啓発のための対談を致しました。

ぜひご覧ください。

https://www.hernia.jp/notice/bulging_groin/

私自身は研修医時代に島田教授にご指導いただく機会があったので、患者さんを寝た状態だけでなく立った状態で鼠蹊部に出っ張りがないか診察したり、ヘルニア門(ヘルニアの入口)の触診等を押していただくことができ、大変貴重な研修ができたと感謝しております。

記事には掲載されていませんが、対談の中で、島田教授が「鼠径ヘルニアのような良性疾患の手術では、癌のような悪性疾患ではないので、『手術の後遺症が残っても命が助かったから我慢しよう』とは思ってもらえない。良性疾患だからこそ、より質の高い治療や綺麗な手術を要求される。」とおっしゃっていたことが印象でした。

 大変貴重な経験をさせていただき、今回の対談をセッティングしてくださったメディコンの皆様にも感謝申し上げます。

文責:佐々木 陽典

———————————————————————————————————————————

2022年8月19日(金)、20日(土)に第25回 日本病院総合診療医学会学術総会が岩手県立胆沢病院 総合診療科 渋谷俊介先生の主催で開催されました。メインテーマを『今こそ!病院総合診療』であり、It’s never too late to start! と病院総合診療医へのキャリアチェンジを促す画期的なコンセプトで開催されました。渋谷先生自身が外科医でしたが、持病によりメスを持てなくなり、総合診療科へ転向した経験を会長講演でお話しされていました。新型コロナ感染症のため、完全WEB開催となりました。

 開会式直後には佐々木陽典先生がシンポジストとして登場しました。

シンポジウム1(8:40 ~ 10:10)「Meet the fascinating general hospitalists!」 ではより良い仕事をするために、信念、熱意、マインドをしっかりと持ち、未来を語り、実践にうつしていくことが重要であるということがまとめとなりました。

シンポジウム2(10:20 ~ 11:50) 「FHGMに必要なミドルクラスのリーダーシップとは?」では 言語化が難しいリーダーシップについて理解を深めることができる内容となりました。

佐々木先生のシンポジウムの裏では一般演題(9:00 ~ 9:50) 「膠原病・アレルギー1」 セッションが行われ、東京医科大学 八王子医療センターで初期研修を行っている甲藤大智先生(東邦大学2022年卒)が「MTX で治療中に子宮原発リンパ腫と診断された関節リウマチ高齢女性の一例」を元気に発表していました。学生時代から大学院講義に積極的に参加し、充実した学生生活を終えて医師となった甲藤大智先生です。今後の活躍が楽しみです。

教育講演(14:20 ~ 15:50) 「症例検討から学部診断推論戦略 by JUGLER (Vol.5)」 にも佐々木先生が登場。器質性VS心因性を考えるときのポイント、心因性は除外診断ではなくうたがう必要があること、原因不明の発熱から診断を考え解剖学的なアプローチをすることで正しい診断に迫ることができることが示されました。

育成賞/指導医賞候補演題(16:00 ~ 17:30) の発表には瓜田が審査員で登場。満点をつけた「水痘・帯状疱疹ウイルス髄膜炎に舌咽迷走神経障害を生じた一例 」(東京べイ・浦安市川医療センター 曽根先生)は2位の結果で、少し残念でした。最優秀賞「COVID-19 罹患後の全身倦怠感に潜在する加齢性性腺機能低下(LOH)症候群と病院総合診療医の役割」(岡山大学 山本先生)の発表も素晴らしく、本学会のレベルの高さを改めて実感しました。

一般演題(15:20 ~ 16:10) 「感染症5」 では宮崎泰斗先生が座長を務めました。

一般演題(16:20 ~ 17:10) 「薬剤」では繁田知之先生が大船中央病院で経験した「ジスチグミンによるコリン作動性クリーゼを呈した一例 」を報告しました。

ChE低値のみでは診断できず、アセチルコリン過剰分泌によるバイタルサインや身体所見から総合的に判断する必要があることを強調する内容です。繁田先生、出向先での症例をしっかりまとめていただき、ありがとうございます。ご指導いただいた中野先生、須藤先生、大変お世話になり、ありがとうございます。

 2日目はスポンサードシンポジウム(8:50 ~ 10:20) 「原因不明な繰り返す腹痛に潜在する希少疾患 ~治療可能となった「急性肝性ポルフィリン症」を「見つかる」から「見つける」へ~」が早朝から開催され、佐々木先生が「急性腹症の鑑別診断とAHP」と題してポルフィリン症について講演しました。「実は本物の症例に当たったことがない!」との独白もあるように希少疾患の代表です。肝胆道系を専門とする田妻理事長肝煎りのシンポジウムでした。小医は翌月曜にポルフィリン疑いの症例に遭遇し、早速シンポジウムで学んだことを活用することができました。

2日目は渋谷会長ならではの「夏の怪談?」シンポジウム(13:10 ~ 14:40) 「鍼の世界を覗いてみませんか?-古代より伝わる総合診療の技と英知-」 が開催されました。我々が学ぶ西洋医学はニュートン力学を生命科学に当てはめ、物質とエネルギーの二概念の上に組み立てる機械論的生理学が主流になっています。1958年にKendrew JCがNature誌(vol181: p6625)にクジラの精子ミオグロビン立体構造を発表し、その際「タンパク質のもっとも注目すべき形態は、その複雑性であり、対称性がないことである。これまでのどんなタンパク質構造理論が予測したよりもはるかに複雑であった。」と記載し、生命現象には何らかの形である分子が対応しているという「分子担保主義」に疑問を投げかけています。機械論の対極にある生気論が完全に捨てられないのは、このような背景があります。複雑な生体は分割して分子まで分けて解析しても、再統合したマクロの振る舞いを説明できることは多くありません。総合診療医として、「覗いておくべき世界」の一つを示してくれた渋谷会長に感謝しております。ありがとうございます。

最終セッションはやはしJUGLERでした。シンポジウム3(16:10 ~ 17:40) 「続・臨床研究の極意 by JUGLER- つまずきポイントから解決法を探る -」 が開催されました。

研究のネットワークづくり、論文執筆における注意点などについてかなりつっこんだ議論が行われました。演者の失敗談など、オフレコの話もあり、楽しめる内容でした。

 この日は「忘れられない、俺の / 私の一本目!(10:20 ~ 11:50)」という特別企画があり、初めての英語論文作成からacceptまでの苦労話が疲労され、大いに盛り上がりました。掲載された論文を見ると、簡単に論文を作成しているように見えますが、どの先生も悶々とした日々を乗り越えてacceptに漕ぎ着けていることがわかり、何だか安心できる内容でした。

 第25回 日本病院総合診療医学会学術総会は渋谷会長のお人柄が溢れる暖かくも、学びの多い内容でした。次回は2023年2月に獨協医科大学 志水太郎教授が宇都宮で開催されます。次回は多くの演題を持って、餃子を食べに行きたいと思います。

 佐々木先生、繁田先生、宮崎先生、甲藤先生、お疲れ様でした。次回もよろしくお願いします。

                            文責 瓜田純久

———————————————————————————————————————————–

 7月8日(金)17:00より、医局説明会を開催しました。一緒に「複雑系科学」の講義を行ってくれている小松先生がポスターを作成してくれました。

当日は佐々木先生から「総合診療科の診療と研究」、繁田先生から「総合診療入局後のライフプラン」、前田先生から「感染症チームの取り組み」について説明していただきました。参加した研修医の先生からも多くの質問をいただきました。大学院の役割、内科専門医制度と総合診療専門医制度のダブルボードなど、とても重要な質問が多く、我々も応答に力が入りました。

小医からのメッセージはミハイのフロー理論とさせていただきました。

 当日は記録をするのを忘れてしまいました。ZOOM画面を掲載できず、残念です。Imputability「・・のせい」帰責性が過剰な医療現場では、Responsibility 「責任感」が湧き上がる余裕がなくなってしまいがちです。決定的な保証のない判断が多い医療現場では少ないパラメーターで真理を認定するエビデンスに、必要以上に頼ってしまい、思考回路を深める作業が中断されることがしばしばです。Correctness 「正しさ」は瞬時に判断できますが、判断に時間がかかるJustice「正義」に思いを馳せることは決して多くありません。Imputability が瞬時に計算され、Justice, Responsibilityが入り込む余地がない医療は、我々の目指す医療とは大きな乖離があります。複雑な病態を還元論的に把握するだけではなく、エビデンス構築の際に削ぎ落とされたパラメーターにも配慮することができる医師を育成していきたいと考えています。

 参加してくださった研修医の皆様、医局員を代表して感謝申し上げます。ともに学んでいきましょう。

       文責 瓜田純久

———————————————————————————————————————————–

6月16日(木)に総合診療科が担当した第160回東邦医学会例会が開催され、盛況裏に終えることができました。各診療科が持ち回りで担当する東邦医学会ですが、第160回2日目を担当しました。17:00に臨床講堂で開始された例会のオープニングは、本学1977年卒業で岡山県早島町から遠路お出でいただいた木村医院 院長木村 丹先生による特別講演でした。

木村先生は岡山大学医学部でも医学史の講義を担当されており、歴史に名を残した7医人について、豊富な資料を背景にわかりやすい解説を行ってくださいました。北里柴三郎、宇田川玄信、コロトコフ、フレミング、ジェンナー、シーボルト、アスクレピオスを取り上げ、古いドイツ語資料を使って、多くの画像とともに医学史の面白さを再確認させていただきました。

当日は多くの学生も参加してくれました。学生からすぐにメールをいただきました。

「昨日は、東邦医学会にお誘い頂きありがとうございました。普段の授業では学ぶ事が少ないお話を聞かせて頂き、大変貴重な時間となりました。」

司会は東邦大学学祖の孫に当たる額田均教授が買って出てくださいました。今回の特別講演は岡山にルーツを持つ額田先生に木村先生を推薦していただいたことから実現しました。

木村先生は当日に岡山から新幹線で上京され、翌日の診療のため、講演終了後に慌ただしく帰岡されました。

最後は多数参加してくれた学生たちと記念にパチリ。木村先生、額田先生、ご多忙中東邦医学会にお力添えいただき、誠にありがとうございました。改めて現在の近代医療が多くの偉人(医人)の汗に支えられて来たことを痛感しました。学生にとっても大きな財産となったことと思います。日本医史学会にも参加してみます。別の学会でも医学史の講演をよろしくお願いします。

           文責 瓜田純久

———————————————————————————————————————————-

6月4日(土)に行われた地域医療学の講義に、長岡赤十字病院に出向している鈴木健志先生が来てくれました。新潟枠、千葉枠各5名を本学では入試で設定しておりますが、選択科目「地域医療学1」は一般枠から選択してくれた5名を合わせて、15名が受講してくれました。

アイスブレークの後は地域医療体制の問題点について新潟県の先生方と考えていきました。具体的な医療場面を設定し、斬新なアイディアが多く出されました。救急外来、総合診療科の意義など、次から次へと話題が湧き上がり、新潟県の患者さんに聞かせてあげたいような温かい医療構想が提案されていました。

新潟県から地域医療支援センターの先生3名も参加していただき、グループワークを中心に行われ、和気あいあいとした雰囲気で進行して行きました。

鈴木先生は現役ホスピタリストとして、新潟の特殊性、故田中角栄首相の功罪など、新潟愛が溢れるお話で盛り上げていました。

地域枠の学生さんは、みな意識が高く、真剣な「しゃべり場」となりました。

最後の発表で「新潟を知りたい」が結語であり、鈴木先生も大満足でした。

鈴木先生、疲れ様でした。新潟の学生実習もよろしくお願いします。

           文責 瓜田純久

———————————————————————————————————————————–

 年度末、医学部で開催された6回に及ぶ研究公正推進セミナーで講演させていただきました。病院病理学 渋谷教授が司会の労を執ってくださいました。

 医学部倫理教育の一環として開催が決定した昨年11月に渋谷教授からお話があり、何を話そうかと考えておりました。臨床倫理、医療安全については院長室は連日遭遇する問題ですが、研究倫理についてのセミナーにおいては、何を話すべきか大いに迷いました。

日常的に耳にする「忙しくて研究する時間はない!」という臨床医に対してメッセージを発するべく、働き方改革への対応に追われる現状に合わせて、「勤勉革命」についてお話させていただきました。16世紀の欧州では余暇の多さを厳しく批判した宗教改革が進み、労働時間は年間3,700時間に及ぶ国もあり、産業革命の成果を実社会へと速やかに還元する重要な役割を果たしてきた歴史があります。

ヤン・ド・フリースの文献は読み応えたありました。年間平均労働時間が3,700時間に達した国もあり、労働と生活が一体となっていた当時の社会情勢が伺われました。

 本来、やりがいのある仕事として行う研究活動に「労働」としての感覚が侵入すると、研究不正の罠に陥りかねません。まとめはカミュの「形而上学的反抗」から、アカデミアにおける臨床医の労働への向き合い方についてじっくり考えることで、Decent studyを実践したいと大きな目標を設定して終了しました。

 参加していただいた先生方、また貴重な機会をいただきました渋谷教授に感謝申し上げます。

                      文責 瓜田純久

———————————————————————————————————————————–

日本病院合診療医学会の英語雑誌Journal of Hospital General Medicineに血液内科長瀬先生と共著させていただいた症例報告2報と口腔外科の先生方と共著させていただいた歯科治療による縦隔気腫の症例報告1報が掲載されました。

寒冷凝集素症に関する症例報告は私自身が診断に難渋し、長瀬先生に相談したところ、あっという間に診断に至った症例です。専門医の素晴らしさと同時に診断医としての私自身の未熟さを痛感した症例であり、長瀬先生からご指導いただき、総合診療医への教訓となる症例報告を目指して共著させていただきました。

 舌下免疫療法による二次性好酸球増多症候群の症例報告も貴重で示唆に富む症例を報告できてよかったと安堵しております。

 歯科治療に伴う縦隔気腫の症例報告では執筆の段階で歯科麻酔によるアナフィラキシーショックとの鑑別が重要等の学びもあり、印象的で意義のある画像論文に仕上げることができたと思います。

私自身が症例報告に深く関わるのは久しぶりでしたが、昨年参加させていただいた日本病院総合診療医学会や日本腎臓病薬物療法学会での症例報告セッションに背中を押されて執筆(共著)に至りました。やはり症例報告の執筆はとても楽しく、臨床医としての醍醐味ではないかと改めて実感致しました。

沖縄時代の恩師に「症例報告が書けるということは臨床医として第一線に立ち続けていられていることの証です。」と励ましてもらったことを思い出し、とても、ありがたい気持ちです。

これからも執筆を続けていきたいと思います。ご指導・ご共著いただいた先生方に感謝申し上げます。

文責:佐々木 陽典

———————————————————————————————————————————–

今週土曜日(4月2日)午後8:00から「教えて!チョイスドクター 患者力アップ講座」が再放送されますので再度の告知です。

この番組は「患者力」という視点から

  1. 病院はどうやって選ぶ?
  2. 医師とうまく話すには?
  3. 医療情報はどうやって探す?

という3つのテーマで番組が構成されたもので、私は「病院はどうやって選ぶ?」の部分で、「総合診療科」について紹介していただき、臓器別専門科で診断がつかず、患者さんが総合診療科を自ら選択して受診してくださり、結果として診断に至った症例の紹介を通じて、

  • 医学の進歩に伴い知識量が増え、専門家がすべての領域をカバーすることができなくなってきた現状を踏まえ、総合診療医がより幅広い可能性を考えて診断を行い、専門医と協力して治療に関わったり、患者さんと専門医の橋渡しを担うようになってきている
  • 総合診療医の役割は働く場所やニーズによって様々であり、難しい病気の診断だけでなく、ありふれた病気の診療や、患者さんを体・病気だけでなく、心理的・社会的背景や家族の問題、介護まで含めて、幅広く人間として診療する役割を担っている(未熟な私にはできていないことばかりですが…)
  • 「症状の原因がわからない時」、「どの診療科を受診したらいいかわからない時」等には総合診療科の受診を考えてほしい
  • かかりつけ医の先生も総合診療科医としての役割を担っており、専門医と協働しているので、活用していただきたい

といったお話をさせていただきました。

スタジオで、東京大学大学院医学系研究科医療コミュニケーション学分野准教授の奥原剛先生から「社会的証明の効果」、「進化的最適環境」等、進化心理学、社会心理学、行動経済学等に基づく情報との付き合い方等について、とても興味深いお話を伺えたことは今でも貴重な財産です。

皆様、ぜひご覧ください!

https://www.nhk.jp/p/kenko-choice/ts/7JKJ2P6JVQ/

文責:佐々木 陽典

———————————————————————————————————————————–

NHKのディレクターからきたる4月2日に、昨年3月27日に放送された「教えて!チョイスドクター 患者力アップ講座」が再放送されるとのご連絡をいただきました。

この番組は「患者力」という視点から

  • 病院はどうやって選ぶ?
  • 医師とうまく話すには?
  • 医療情報はどうやって探す?

という3つのテーマで番組が構成されたもので、私は「病院はどうやって選ぶ?」の部分で、「総合診療科」について紹介していただき、臓器別専門科で診断がつかず、患者さんが総合診療科を自ら選択して受診してくださり、結果として診断に至った症例の紹介を通じて、

  • 医学の進歩に伴い知識量が増え、専門家がすべての領域をカバーすることができなくなってきた現状を踏まえ、総合診療医がより幅広い可能性を考えて診断を行い、専門医と協力して治療に関わったり、患者さんと専門医の橋渡しを担うようになってきている
  • 総合診療医の役割は働く場所やニーズによって様々であり、難しい病気の診断だけでなく、ありふれた病気の診療や、患者さんを体・病気だけでなく、心理的・社会的背景や家族の問題、介護まで含めて、幅広く人間として診療する役割を担っている(未熟な私にはできていないことばかりですが…)
  • 「症状の原因がわからない時」、「どの診療科を受診したらいいかわからない時」等には総合診療科の受診を考えてほしい
  • かかりつけ医の先生も総合診療科医としての役割を担っており、専門医と協働しているので、活用していただきたい

といったお話をさせていただきました。

スタジオで、東京大学大学院医学系研究科医療コミュニケーション学分野准教授の奥原剛先生から「社会的証明の効果」、「進化的最適環境」等、進化心理学、社会心理学、行動経済学等に基づく情報との付き合い方等について、とても興味深いお話を伺えたことは今でも貴重な財産です。

皆様、ぜひご覧ください!

https://www.nhk.jp/p/kenko-choice/ts/7JKJ2P6JVQ/

文責:佐々木 陽典

———————————————————————————————————————————–

プロピンオン酸呼気試験によるビタミンB12欠乏症の診断はこの数年の私の主な研究テーマの一つです。患者さんにご協力いただいている臨床研究と並行して、ラットを用いた研究も行いたいと思い、今井先生、瓜田先生、佐藤さんのご指導・ご協力をいただき、2月23日(天皇誕生日)に実験を行いました。

当日は祝日にもかかわらず早朝から皆さんにお越しいただき、大橋病院の当直明けの河越先生も駆けつけてくれました。今井先生の達人技と他のメンバー全員での連携プレーで16匹分の検体を採取することができました。

日頃は疫学研究ばかりしている私が動物実験をするとはつい最近まで夢にも思わなかったのですが、遠心分離機を回したり、マイクロピペットで血清を分注するのはとても楽しく、実験をしている最中には、小学校の頃の遠足や大学でのダイビング旅行を思い出しました(笑)。

すでに結果を解析中であり、予想以上に期待できる結果が出ておりますので、早速、追加実験の準備を進めております。素晴らしい結果を発表できる日をワクワクしながら夢見ております。

熟練の達人技を披露する今井先生とそれを絶妙なコンビネーションで介助する河越先生。

河越先生の真剣な眼差しが印象的です。

慣れない手つきでマイクロピペットを操作している私の後ろ姿です。

認めたくはありませんが、熊のプーさんを彷彿とさせます。

文責:佐々木 陽典

———————————————————————————————————————————–

すっかり報告が遅くなってしまいましたが、2月26日-27日にWeb開催された第24回日本病院総合診療医学会に参加致しました。

今回もJUGLERのメンバーでの発表の機会を多くいただき、一般演題も3演題発表させていただきました。また、今回は西江先生、斎藤先生、繁田先生も素晴らしい発表してくれました。

初日はご好評いただいている(そして何より私たち自身が一番楽しんでいる)JUGLERセッション「症例検討から学ぶ診断推論戦略 by JUGLER(Vol. 3)」 にディスカッサントとして参加させていただきました。

埼玉医科大学病院の水流佐方里先生、 熊川友子先生に大変勉強になる多発性骨髄腫の一例をご発表いただき、東京ベイ・浦安市川医療センター小平翔太先生、増田陽平先生に病歴聴取の重要性を再認識させる遺伝性血管浮腫の一例をご発表いただきました。いつもながら志水先生の神コメントを数多く伺うことができ、とても勉強になりました。今後の自分のコメントがどうあるべきかについても考えるきっかけになりました。

志水太郎先生の印象的なクリニカル・パール(一部):

  • 中点の法則:複数の部位に疼痛を訴える場合は中点の病変を考えよ。
  • 突然発症では50歳以上であってもオッカムの剃刀(一元的思考)を適応した方がよい。
  • 50歳以上の患者の消化器症状は「挨拶代わり」と考えよ。非特異的な症状であり、消化器疾患も非消化器疾患のいずれも考えられるLow yieldな病歴と考えよ。

(これは、まさに私がなんとなく感じていたけど言語化できていなかったことであり、これを聞いた多くの臨床医が「これだ!」と膝を打ったと思います。ベスト・パールです!!)

  • 高齢者の多発外傷では家庭内暴力を考えよ。
  • 区域性の痛みではPinch testをせよ。
  • 短期間で跡形もなく改善する病歴では血管系疾患とアレルギー疾患を考えよ。

順調は進行は毎回鋪野先生の名司会(誘導)と多胡先生の完璧なタイムマネージメントの賜物です。お二人の手のひらで転がされている時間がとても心地よかったです。

また、今回は「臨床研究の極意 by JUGLER ―つまずきポイントから解決法を探る―」として若手が研究を実践するうえでの障壁をどうクリアしてゆくかについて話し合いました。他のJUGLERメンバーが研究の実践のために日々どのような努力を重ねているのかを詳細に知ることができて、とても刺激になりました。一人でも多くの若手の背中を押すことができたとすれば幸甚です。

一般演題では、「胃癌術前検査の FDG/PET-CTで認められた COVID-19 ワクチン接種後の腋窩リンパ節への反応性集積」、「スギ花粉舌下免疫療法により惹起された好酸球性心外膜炎および食道炎と思われる一例」、「顔面腫脹を呈して心臓周囲まで達した歯科処置による医原性縦隔気腫」の3演題を発表しました。

3演題とも近日中に本学会の英語雑誌に掲載が決定しておりますので、ご興味のある方はぜひ症例報告をご一読ください。

学びのあった症例を、そのままにせず、省察して、発表して、論文/報告として形に残すという一連の過程をすべての演題で実現できたことを非常に嬉しく思っております。

斎藤隆弘先生は多忙な日常診療をこなしつつ、直前の私からの無茶振りに見事に応え「炭酸リチウムによる腎性尿崩症を呈した一例」について発表してくれました。

西江龍太郎先生は「悪心嘔吐を主訴に来院し、進行する認知機能障害、尿失禁が同一の疾患によるものと診断した一例」として、組織学的に証明された神経核内封入体病の一例を発表してくれました。まさに診断医の執念により診断がついたとても稀で多くの臨床医にとって有益な貴重な症例であり、ぜひ症例報告として世界に広く発信してほしいと思います。

大船中央病院に出向中の繁田知之先生も、大船中央病院で経験させていただいた「難治性頭痛の精査で診断に至った再発性多発軟骨炎の一例」を発表してくれました。

今回の学会は、昨年まで私が副代表を務めさせていただいていた若手部会の躍進と溢れ出るエネルギーを実感できる学会でした。Journal clubという新しい試みに加え、非常に実践的な画像論文投稿のための講演は完成度の高さとディスカッサントのハイレベルな議論に感嘆しました。

オンラインでの開催が続いている飲み会企画Meet the expertsも更に進化し、Zoomの機能をフル活用することでリアルな飲み会のような雰囲気が楽しめました。

さっそく次の学会が楽しみになる素晴らしい学会でした!

私の代理としてOSCEに出席してくれた山田篤史先生、私の代わりに大量の呼気検体を測定して下さった佐藤さんをはじめ医局の皆さん、そして様々な発表演題を通じて貴重な勉強の機会を下さった患者さんに感謝申し上げます。

文責:佐々木 陽典

———————————————————————————————————————————–

チーム医療を推進し、看護師が役割をさらに発揮するため、2015年10⽉より「特定⾏為に係る看護師の研修制度」が創設され、2020年度から東邦大学でも研修が開始されました。

https://www.lab.toho-u.ac.jp/nurs/planning/tokutei/index.html

(来年度の募集は既に締め切られたようです。)

2021年度から私も指導医として関わるようになり、臨床推論、フィジカルアセスメント(診察)、血液ガス分析、心電図、臨床薬理等の講義・演習を担当させていただきました。輸液については3名の受講生に実際の症例を6例ずつ担当してもらい、実際の症例に対する輸液計画を立案してもらって受講生全員で議論しました。先日、今年度の私の指導範囲が終わり、受講生たちは修了試験に向けて準備に追われているようです。

どの看護師さんも、ベテラン看護師として職場から頼られる存在であり、多忙な勤務を続けながら、その合間を縫って大量の講義、レポート、試験をこなしていました。非常に熱心・積極的で、十分な事前学修をしたうえで講義や研修の臨んでくださったので、非常に有意義な講義・議論を行うことができました。

「さらに自分を向上させたい!」、「より患者さんやチームに貢献できる存在になりたい!」という熱意には本当に頭が下がる思いです。それと同時に、卒前教育で浸透してきている参加型授業/実習、問題解決型学修、グループワークを通じて医学生に求められている質の高い教育とは、本来こういったものであり、やはり学修者自身が議論に必要な基本的な知識を身に付けて準備したうえで積極的に参加してこそ成り立つものだと実感しました。優秀な受講生達の姿勢から学んだことを卒前教育にも活かせるようにと考える貴重な機会となりました。

受講生皆さんの合格をお祈りしております!

文責:佐々木 陽典

———————————————————————————————-

2月5日にJPCA佐賀支部第6回学術大会で「症例検討から学ぶ診断推論戦略 by JUGLER」を開催致しました。

本文:

JUGLERとは「既存の枠に囚われず、理想の病院総合医の姿を明確にして大学病院総合診療科の必要性を発信する」ことを目的に佐賀大学多胡准教授(発起人)、獨協医科大学志水教授、順天堂大学高橋先生、千葉大学鋪野先生、島根大学和足先生、私がメンバーとして活動しているJapan University General medicine Leadership and Education Roundtable日本大学総合診療リーダーシップ・教育円卓会議の略称のことです。

JUGLERホームページ: https://jugler-gm.com

これまでも鋪野先生、多胡先生のご尽力により日本病院総合診療学会で「症例検討から学ぶ診断推論戦略 by JUGLER」を開催させていただき、好評をいただいております。

内容は日経メディカルにも掲載されております。:

https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/series/dxbias/202104/569723.html

https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/202110/572254.html

https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/202201/573233.html

https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/202201/573234.html

今回は日本プライマリ・ケア連合学会佐賀支部第6回学術大会で開催の機会をいただきました。総合診療の古豪である佐賀大学総合診療部から2症例をご提示いただきました。

1例目は佐賀大学総合診療部の平田理紗先生からご提示いただいた半年前からの血圧低下と1ヶ月前からの盗汗、発熱、体重減少で受診された症例でした。

半年前からの血圧低下と1ヶ月前からの発熱から副腎不全や甲状腺機能低下症等の内分泌疾患といわゆる不明熱を一元的に説明できる病態として、副腎に生じた血管内リンパ腫等の悪性リンパ腫ではないかと考えましたが、診断は下垂体-視床下部に生じた血管内リンパ腫でした。副腎皮質機能低下の原因は下垂体-視床下部性だったということで、私の推測を超えておりました。

高橋先生のADLの的確な把握がReview of systemsにも繋がるというご指摘、詳細な病歴で複数の病態が重複(Add on)したか鑑別するという話は、なぜ詳細な病歴聴取が必要なのかについて改めて実感させられるものであり、特に若手医師にとって非常に勉強になったのではないかと思います。

志水先生から若手の聴衆に対する「不明熱では①血管内感染症、②深部感染症(膿瘍・骨髄炎)、③細胞内寄生菌(結核等)を考えよ」「血液培養陰性の血管内感染症として人畜共通感染症を想起すべし」、「相対的頻脈の存在からToxicな病態として内分泌疾患を想起すべし」、「膀胱癌ではBCG療法によるMycobacterium bovis感染症を想起すべし」等、クリニカル・パールに溢れた解説は本当に勉強になりました。

この症例は既に症例報告として掲載されているとのことですのでぜひご参照下さい:

Hirata R et al. Intravascular large B-cell lymphoma with endocrine disorder of the hypothalamus–pituitary axis required repeat random skin biopsy for diagnosis. J Hosp Gen Med, 3(4): 129-135, 2021

2例目は織田病院牧尾成二郎先生から亜急性経過の認知機能低下、意識障害、構音障害と急激な全身浮腫、血小板減少、腎機能障害を呈したTAFRO症候群の症例をご提示いただきました。

私は以前に類似した症状で受診したビタミンB12+ビタミンB1欠乏症の症例(https://www.jstage.jst.go.jp/article/internalmedicine/advpub/0/advpub_6660-20/_article)に気を取られて錨バイアスに陥ってしまいましたが、高橋先生、志水先生は素早く患者の病態の全体像を把握し、著明な浮腫と血小板減少からTAFRO症候群を最初から想起されました!加えてTAFRO症候群を想起した際に同時に鑑別すべき病態についても解説してくださいました。TAFRO症候群を想起するだけでもすごいと思うのですが、さらにIgG4関連疾患を含めて鑑別すべき周辺の病態についても解説していただき、本当に勉強になりました。

直観的に軸(Pivot)となる疾患を想起し、その軸を手がかりに、軸の周りにある類似した鑑別すべき疾患群(Cluster)を想起して鑑別してゆくという、志水先生が提唱されたPivot & cluster strategyの真骨頂をお二人の思考過程に見た思いでした。

志水先生のPivot & cluster strategyに関する論文:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23204855/

どちらの症例も非常に診断が難しく、担当医の執念が診断に繋がった症例であり、佐賀大学総合診療部では最初のカンファレンスでどちらの症例もすでに診断の道筋がついていたという多胡先生のコメントから、佐賀大学総合診療部の高い実力に加え、「自分たちが診断できなければ次はない」という矜持と覚悟を感じ、身が引き締まる思いが致しました。

司会の鋪野先生は巧みにディスカッサントの考えを引出し、聴衆のために解説を加えつつ、時間ぴったりにセッションを進めてくださりました。鋪野先生の名司会と多胡先生のマネジメントに甘えて私たちディスカッサントはいつものびのびとやらせていただいており、本当に頭が上がりません。

ご発表・ご登壇いただいた皆様と大会関係者各位に感謝申し上げます。

2月26日に開催される第24回日本病院総合診療医学会でも「症例検討から学ぶ診断推論戦略 by JUGLER」を開催させていただく予定ですので、ぜひご参加ください!

https://hgm24.net

文責:佐々木 陽典

———————————————————————————————

1月16日(日)に2年ぶりとなる東邦大学JMECCを開催致しました。

コロナ禍での開催であり、開催が危ぶまれましたが、JMECC取得が総合内科専門医取得の必須条件となっており、若手医師からの要望も強かったことから、いつもディレクターをお願いしている藤沢市民病院副院長の西川正憲先生のご指導のもと、事前の健康観察、マスク着用、フェイスシールド着用、手指消毒、換気等、最大限の配慮を行った上で開催が実現致しました。

東邦大学医療センター3病院の内科レジデントのために、西川先生のお声かけで全国の様々な施設からインストラクターの先生方に遠方からお越しいただき、ご指導いただきました。

久しぶりの開催であり、緊張しましたが、1名の体調不良者もなく、無事に開催でき安堵致しました。

西川先生をはじめご指導くださった先生方、開催に向けて細やかな調整までご尽力くださった卒後研修/生涯教育センター並木先生、大森病院総務課の平田さんにも感謝申し上げます。

文責:佐々木 陽典

———————————————————————————————-

JUGLERとは「既存の枠に囚われず、理想の病院総合医の姿を明確にして大学病院総合診療科の必要性を発信する」ことを目的に佐賀大学多胡准教授(発起人)、獨協医科大学志水教授、順天堂大学高橋先生、千葉大学鋪野先生、島根大学和足先生、私がメンバーとして活動しているJapan University General medicine Leadership and Education Roundtable日本大学総合診療リーダーシップ・教育円卓会議の略称のことです。

この度、多胡先生、林田さんを中心に作成していただいたJUGLERのホームページとFacebookが公開されました!これまでの活動内容や各メンバーの紹介など、盛りだくさんで、ヴィジュアル的にも非常にかっこよく仕上がっておりますので、ぜひご覧ください!

(私がその中に登場することには違和感しか感じられず、まるで別人のようですが…)

<ホームページ>

https://jugler-gm.com/?fbclid=IwAR0750lX92jEaNeg1ce3yxGFwSjDqTN8GFZ65KprQQ9-4owgXNKVTAhOiiQ

<Facebook>

https://www.facebook.com/JUGLER.GM

文責:佐々木 陽典

———————————————————————————————-

月間薬事で「病棟エマージェンシーファイル」という連載を始めさせていただくことになりました(全12回予定)!

まさか私が雑誌に連載を持てるとは夢にも思わなかったので、大変ありがたい話です。最初は完全単著で挑戦しようと思ったのですが、やはりしんどかったので、若手の先生方にも助けていただくことにしました^^;

病棟薬剤師向けの記事ですが、研修医や看護師さんにも役立つ内容を意識して執筆しておりますので、機会がありましたらぜひご一読ください。

初回のテーマは「発熱」です。

さっそく研修医室、総合診療科外来、薬剤部に献本させていただきました!

文責:佐々木 陽典

———————————————————————————————-

「呼気に含まれるアルデヒド類を測定することにより前立腺癌の診断ができないか?」というテーマで共同研究させていただいている日本大学理工学部の松村年郎先生が2021年12月に行われた2020年室内環境学会学術大会で発表された「室内環境及び呼気中のアルデヒド定量法の開発とそのアプリケーションについて」が大会長奨励賞を受賞致しました。

 呼気中アルデヒドによる前立腺癌の診断に関する研究は、松村先生からご提案いただき、その研究者としての熱意に感銘を受けた瓜田教授の指導の下で始まったものです。先生方のご指導のお陰で、私自身も代表研究者とし令和3年度科学研究助成事業若手研究に採択していただいた経緯があります。

 齢80を超えても自ら講演に臨み、世界に貢献できる研究を続けようと熱意を燃やす松村先生の姿勢には大変学ぶところが多く、こうして受賞という形でご評価いただけたことも、とても嬉しく思います。

松村先生、おめでとうございます。今後ともご指導よろしくお願い申し上げます。

 文責:佐々木 陽典

—————————————————————————————————————————————————————–